トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日の舞-乙HiMEの感想。
サブタイトル §
第15話「アリカ、泣く。」
あらすじ §
レイプされようとするアリカのピンチを、アリカが真の王女だと聞いた直後のウォンが救います。
アリカとウォンは夜の街を歩き、良いムードになります。しかし、キスの寸前に、ウォンは心にもないことを言ってアリカを突き放します。
ガルデローベでは、ミーヤがレイプ事件などのアリカに関する黒幕として捕まります。ミーヤは退学していきます。
部屋に閉じこもったマシロのために、アリカは部屋に行きます。そこで、二人で持てあました恋の気持ちを確かめ合って、泣きます。それから、二人は未来に向けた約束を交わします。
感想その1 §
マシロとアリカ。
ベッドの上で語り合う二人。
実に素晴らしい! 若い日には、たぶん誰しもこういうことを経験するのでしょう。しかし、これを上手く描いた作品はけして多くはないと思います。
というか、私もこういう感覚は忘れていたかもしれません。
本当の意味での生きた青春ドラマですね。
これだけのシーンを見られる作品は、けして多くはありません。
傑出しています。
感想その2 §
キスの寸前でアリカを突き放してしまうウォン。
中途半端に大人になってしまい、中途半端な分別が働いてしまっているように見えますね。
もっと若ければ、きっとキスをして駆け落ちするでしょう。
もっと老成していれば、キスのムードになどに最初から持っていかないでしょう。
この中途半端っぷりが、ウォンの魅力であり、見ている中年男性視聴者(頭の中身がお子様のままの人達は別として)が素直に感情移入できる切り口になっているかもしれません。
この感覚は、非常に優れていますね。
感想その3 §
実は事件の現場近くに居たガルデローベの少女達。
特に、シマにうるさいシマシマ団は面白いですね。
脇役が個性豊かで魅力あるのが、この作品の楽しさの1つです。
とても賑やかで楽しいムードです。
今回の一言 §
「萌え」とはしょせんポルノである、という考え方を取るならば、「萌え」アニメにおいては性交可能な少女の肉体は常に意識されねばなりません。
しかし、多くの作品において、まるでそのような生々しい肉体は存在しないかのように描かれています。現実には、主にエロ同人誌を通して生々しい性交描写に回収されていくキャラクターであるにも関わらず、まるでそのような結末は存在しないかのように白々しく描かれています。これは、ある意味で不誠実です。
ところが、この作品はその対極にあります。これを見れば、否応なしに、生々しい性交可能な少女の肉体の存在を意識させられます。
そして、その肉体を持てあます少女の心、傷つく心も同時に描き出されています。
それによって、実はこの作品はポルノという領域を踏み越えて、(性をテーマに取り込んだ世代の)良質な少女漫画の世界に昇華していると言うことができるかもしれません。