2006年02月26日
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モデルグラフィクス 2006年4月号 大日本絵画

Written By: 川俣 晶連絡先

 この1/700戦艦大和特集は凄いですね。

 超絶作例を誰でも達成可能なエッチングパーツ製品群の充実が凄い。

 25mm三連装機銃であるとか、乗員であるとか、そういうものが1/700のエッチングパーツで提供される状況が叩き出す「人の存在感のある1/700模型」の状況は画期的だと思います。

 最近の脳天気な大和ブームは好きではありませんが、この進歩は非常に価値があるものだと思います。

 とはいえ、最も価値があるのは、おそらくエッチングパーツの紹介ではなく、10pの工具のコラムです。マイクロヤットコなどという工具は知りませんでした。確かに、これは必要でしょう。また、ピンセットは5000円程度の精度の高いものを使うという記述は目から鱗です。つまり、小さなパーツを飛ばしてしまうのは、安いピンセットを使っているから……ということなのですね。たぶん、私が模型工作で使っていたピンセットはどう考えても1000円より高いとは思えない安物でしょう。

 ああ、そういえば。昔、ウォーターラインシリーズのジープ空母(タミヤの)を造ろうとしたとき単装機銃が上手く作れないで放り出したことがありますが、その理由は「安物ピンセットでは砲身を上手く挟めなかったから……」という可能性が十分にありそうです。

 うーむ、どうやら今月号の最大の収穫は、ここにあるかもしれません……。

 ちなみに、私の最近の模型工作のバイブルは「パーフェクトモデリングマニュアル―MAX渡辺のプラモ大好き! (1)」なのですが、この書籍ではピンセットについて「800円以上の高級品を」と書かれています。値段の桁が既に違いますね。おそらく、ガンプラや美少女フィギュアのための本でスケールモデルを作ろうとしてはいけなかった……ということなのでしょう。たぶん。

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 藤田幸久さんの雑多えんたあていめんとのコーナーは、バニーガールが色っぽくてナイス。

 1/48シャーマンのハウツー記事は、やはりシャーマン好きには気になるものです。