トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日の舞-乙HiMEの感想。
サブタイトル §
第25話「蒼天の乙女」
最終回「Dream☆Wing~夢の在処~」
あらすじ 第25話「蒼天の乙女」 §
ハルカらのオトメを陽動に、ナツキらはガルデローベの霊廟に向かいます。
しかし、それはナギに読まれていました。
ナギからの攻撃は、駆けつけたアリカが跳ね返します。
マテリアライズはナギによって再度封じられます。
しかし、アリカとマシロが手をつなぐと、干渉波の影響が減り、マテリアライズできます。二人は、城に向かいます。
アリカは、自分の母親の遺体を用いて作られた、干渉波を放つシステムを破壊します。
あらすじ 最終回「Dream☆Wing~夢の在処~」 §
ミユは、アリッサの最後の遺言を果たします。
それは、全てのオトメが自分の意志で行動を決められるようにすることでした。
オトメ達の大多数は、マシロに協力することを自分の意志で選びます。
あくまでウォンのためにハルモニウムを動かし続けたいニナは、アリカと戦います。
マシロはハルモニウムを止めようとし、ナギはそれを冷笑します。
長時間動かし続けたハルモニウムは暴走し、ニナを乗っ取ります。
そのニナをアリカは倒します。
そして、地上に落下するニナをアリカは抱きしめて一緒に地上に落ちていきます。
平和になった世界。
そこで、マシロは新たに女王として誓いを立て、自分のみすぼらしい城を公開します。
ウォンは、ニナが見守る中、記憶を失った状態で目覚めます。
感想・映像表現 §
まずは、2つの攻撃が正面からぶつかったときに、弾かれて進路がそれる描写が非常に秀逸。その場で押し合ったり、大爆発するよりも、ずっと優れた描写です。少なくとも、この描写であれば、近くに被弾することになって、ピンチであることが映像的に良く分かる点が秀逸です。
それから、最終回は光の演出が見事だと思います。セルアニメの世界で、実は光と影の演出はあまり上手くできていないことが多いのです。そういうセンスがあまり育っていないのでしょう。しかし、これは非常に上手く描いたと思います。見事ですね。セルアニメでありつつも、セル的表現の常識をぶち壊して先に進んでいるようなところがあります。
感想・二人きりの世界 §
最終回には、2つの二人きりの世界が描かれます。
1つは、アリカとニナの世界。
もう1つは、マシロとナギの世界です。
この2つの世界は、どちらも心を浮き上がらせます。
アリカとニナの世界では、実はアリカとニナは対立していません。傷ついたニナの心を、アリカが受け止める……というのがこの世界の真実です。ニナが行使する暴力は、心の傷そのものです。アリカは、それを暴力ではなく心の傷として受け止めることによって、戦いを終わらせようとします。そう、アリカにとって、解放されたローブの力とは、暴力を受け止めるための手段として機能しているわけです。ここで、かつてはアリカを受け止める側であったニナが、アリカによって受け止めてもらう側に立場が入れ替わっている……と見ることもできるでしょう。
マシロとナギの世界も面白いです。徹底的に冷笑的なナギは、自分が追いつめられているにも関わらず、まるで他人事のように話します。一方、苦難を乗り越えて根性の入ったマシロは、最後まで諦めずにハルモニウムに向かいます。ナギから何を言われようとも、自分の信念を曲げません。この時点で、ナギの心はある意味で投げやりです。野望のために努力していたはずのナギですが、最終段階に達したナギには、努力や執念の心が見いだせません。もしかしたら、ハルモニウムを発動させ、全てを我が手に出来ると思った時点で、やる気を失っていたのかもしれません。一方、マシロの方は、本当の意味でのやる気など持っていない女王であったのに、今は望むものを得るための強い精神力を獲得しています。ここでもまた、立場の入れ替わりという構造を見て取ることができます。
もしかしたら、この2つの入れ替わりこそが、この作品の本質なのかもしれません。
感想・ネタ §
あれはトラウマキ人形というのか! 凄いぞ、マキマキ姉ちゃん! しかし、ある意味でこれが最強の力と言えるかもしれません。誰も、動作原理を説明できないわけですし。
アリカを助けるチエを斬るトモエ。この展開は凄くゾクッと来るものがありますね。
青い星が赤くなる描写。色を上手に使った非常に印象的な演出です。
アカネちゃん、まだ生娘だったのね。逃げるのに大変で、まだやってなかったとは。
かっこよすぎるミスマリア。これはやられましたね。
大気圏突入でローブが壊れて裸になって抱き合うアリカとニナ。これはいくら何でも無理があるような……、という感想はさておき、まるでサイボーグ009のラストシーンのようですね。あれは男(009)と男(002)が一緒に落下するわけですが。それを連想して、「二人とも死んじゃうの!?」と思ったものの、一蓮托生のマスターがピンピンしているのを見てホッとしました。
結局、作るのはお花の城なのね……、マシロ女王はそういう女王というわけですね。
今回の一言 §
しかし、いちばん面白かったのは空中で倒されて落下したトモエちゃんが、死体袋に入れられそうになった瞬間に起きて抗議するところです。いや本当に、悲惨な話になりそうな瞬間に、それを力一杯抗議してひっくり返す描写は嬉しいものですね。