2006年06月24日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 3075 count

モデルグラフィクス 2006年8月号 大日本絵画

Written By: 川俣 晶連絡先

タミヤ 1/32 零戦21型 §

 何と!

 胴体を組んだ後からコクピットを組み込めるとは、なんて嬉しい仕掛けなんだ!

 それだけで、組み立て工程の自由度がとても大きくなるぞ!

 ところで、これを作るのに要した時間は「大体RPGゲームをクリアするぐらいの時間で」とされており、具体的には100時間強となっています。

 これを読んだ瞬間、「ふざけるな~~~~」と叫びたくなりましたね。

 そんな膨大な時間を、ホイホイとつぎ込める人がどれほどいるというのだっっっっ!

 みんな、時間が無くて忙しいんだぞ!

 だから、RPGだって売れなくなってきているし、買った人も最後までやってないケースが多いのだから。

 ACE COMBATシリーズだと、基本的にやることを一通りやり込むのに要する時間が、たぶん総飛行時間で30時間ぐらい。ファミコン時代の大作RPGでも、おそらく30~40時間ぐらいでしょう。このあたりが、1つの娯楽につぎ込める上限ではないかと思います。それを超えてしまうといのは、ちょっとねぇ。娯楽以上の何かを心に持たないと遂行できないような気がします。

 というわけで、100時間でやれというRPGもキットも論外。

 (あ、フルスクラッチや改造の場合なら、100時間以上もありです。念のため)

ザブングルいい感じ §

 ザブングル系の作例は、上手く説明できませんが、なんだか良い感じに見えますね。

 マシーネンクリーガーには心が動かないのに、どうしてザブングルには心が動くのだろう……と考えてみると。

 もしかしたら、マシーネンクリーガーはドイツテイストなのに対して、ザブングルはアメリカンテイストだからかも。

BAC221 §

 いいですよ、これ!

 こういう飛行機大好き!

円形劇場 §

 ガンダム(正確にはザク)の良くできたリアルなジオラマ。

 でも、見てすぐに違和感バリバリで、全く楽しめないのです。

 じっと違和感の正体を見極めようと思って見たら分かりました。

 足が嘘です。川底に足を付けているなら、膝まで水に浸かるはずはありません。

 つまり、ザクの頭はもっと高い位置に上がるのが自然であって、そうなるとジオラマとしての整合性が壊れます。船上の人とザクの顔が離れすぎて、1枚の絵にならないのです。

 何回も言っていることですが、結局身長18メートルというモビルスーツサイズはでかすぎるということですね。その問題と真剣に向き合わず、誤魔化してリアル風にするだけでは、出来る作品に自ずと限界が生まれます。