5月の過度なドサクサの前に読み終わっていましたが、感想を書いていませんでした。
内容はターミナル駅の歴史的な変遷ですが、間接的に東京の中心がどこにあるかを浮き彫りにするような内容だったと言えます。
現在、日本の鉄道は東京駅を中心に展開されているわけですが、当初、中心に駅は存在しなかったわけです。東海道線は新橋が起点。中央線は万世橋が起点。北の方へは上野駅が起点。総武線は両国駅が起点。それらの駅の間の中間領域こそが、東京の中心部であって、駅とは都市の周辺部に存在するものだったわけですね。
そして持ち上がる東京中央ステーションの計画。全ての列車を通過させることができる通過式の構造を取るという先進的な構想を実現しながら、列車取り扱い能力の低さから、結局北方は上野駅、中央線は新宿駅を起点として長距離列車を運転しなければならない成り行きは、いかにもありがちで泣かせますね。
なかなか面白い本でした。