2006年07月11日
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パルテノン多摩歴史ミュージアム 特別展・郊外行楽地の誕生 ハイキングと史跡巡りの社会史

Written By: 川俣 晶連絡先

 何と今年1月にパルテノン多摩 歴史ミュージアムに行ってきた時に買った本を今頃読んでいますよ。とほほですね。

 これは、2002年に「パルテノン多摩歴史ミュージアム」で行われた「特別展・郊外行楽地の誕生 ハイキングと史跡巡りの社会史」の図録です。

 なぜこれを買ったのかというと、多摩地区で昔観光客が押し寄せた場所についての情報が詳しそうだったからです。そういう場所を見てみたい……という気持ちもあったので。

 実際、多摩御料や、多摩聖蹟記念館などの記述はとても有意義で、地図を参照しながら読みました。

ここは歩いたぞ! §

 しかし、最大の驚きは、子供の頃に父に連れられて歩いたコースが有名なハイキングコースだったらしいと分かったことです。

 おそらく、p58の「野猿峠ハイキングコースパンフレット(1958年)」に描かれたコースのうち、平山城址公園駅から高幡不動駅までの範囲を何も理解せずに父に連れられて歩いたのだろうと推測します。

 当時は、なぜ平山城址公園駅で降りたのか、なぜ歩き終わった時に高幡不動駅だったのか分かりませんでしたが、整備された有名なハイキングコースだったというわけです。

 もう1つ覚えているのは、このコースを歩いている時に、ジェットコースターか何かそのような遊具を目撃したことです。最初、父は乗せてくれると言ったのですが、多摩テックだと判明するとお金が掛かりすぎると却下されました。ここで、なぜ父はハイキングコースが多摩テックの裏手を通っているという知識を持っていなかったのかという理由も何となく分かりました。つまり、このハイキングコースの全盛期には、まだ多摩テックは出来ていなかったのです。仮に、父がこのコースを熟知していたとしても、多摩テックに関して知識をアップデートする機会は無かったのかもしれません。

 というわけで、実に面白い読書体験となりました。