2006年09月16日
トーノZEROアニメ感想出ましたっ!パワパフガールズZ total 4840 count

それがモンスターの姿であろうとも、出会える奇跡に喜び涙する!!

Written By: トーノZERO連絡先

名シーン(画像公開ポリシー)

幼い頃から愛し続けた人。そして、ずっと会うことができなかった片思いの人。それがモンスターの姿であろうとも、出会える奇跡に喜び涙する。もはや姿形は意味をなさない。その人でありさえすれば……。

 トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。

 今日のパワパフZの感想。

サブタイトル §

第12話「初恋のシャボン玉 その1」「初恋のシャボン玉 その2」

あらすじ §

 バブルスが小さい頃に出会ったシャボン玉の上手な男の子、タカアキはバブルスの初恋の人でした。しかし、再会を約束したのに、バブルスは再びタカアキと会うことはありませんでした。

 タカアキはずっと入院を続けており、出られる見込みはありませんでした。しかし、黒い光を浴びてモンスターになり、街へ出て思う存分遊びます。

 街にモンスター出現と出動するガールズ。

 その最中、モンスターは子供を助けようとします。

 公園でシャボン玉を吹くモンスターを見て、バブルスは正体がタカアキだと気付きます。モンスターを攻撃してしまうブロッサムとバターカップから、バブルスはモンスターを守ります。

 モンスターは立ち去りますが、ブロッサムたちは次に会ったら必ず元の人間に戻すと約束します。

感想 §

 とても良い話です。

 後で説明するように、必ずしも綺麗に丸く収まったハッピーエンドではありません。

 それにも関わらず、これは良い話です。

 会うことができなくても、いつまでもずっと慕い続ける……というのは、けっこう好きな恋愛ドラマのパターンです。たとえば、映画「機動警察パトレイバー2」で、南雲が柘植を思う気持ちであるとか、映画「イノセンス」でバトーが少佐を思う気持ちであるとか、それらも同じパターンです。って、どちらも押井守監督作品ですね。押井守監督も、そういう恋愛が好きなのかもしれません。それはさておき、バブルスです。男からモテモテのバブルスですが、そういう綺麗で報われない恋愛感情を抱き続けている……という屈折した心情が魅力を倍増させていますね。今回は、バブルスのハッとさせられる表情もしばしば見られたし、とても良かったと思います。

もうちょっと感想 §

 さて、冒頭に「もはや姿形は意味をなさない。その人でありさえすれば……」と書いてからハッとしましたが、これは映画「イノセンス」と同じですね。ガイノイドの身体にダウンロードされてバトーと会う「少佐」ですが、バトーにとって姿形の違いは全く意味を持ちません。ただ、再び会え、言葉を交わし、一緒に戦えることが嬉しかったのだろうと思います。

 モンスターになったタカアキに抱きついてしまうバブルスは、それと同じと言って良いですね。

 私は「イノセンス」のこういう恋愛がとてもとても好きなので、今回の恋愛がとてもとても気に入ったのは当然の成り行きと言えるかもしれません。

今回の一言 §

 とても矛盾した話です。タカアキは病院から出られない身体です。それが、モンスターになることで、自由に動き回ることができる身体を得たことになります。つまり、タカアキを元の身体に戻すことは、再びタカアキを病院に閉じこめることを意味するわけです。ラストシーンで、きっと人間に戻そうと約束するブロッサムの言葉は、ハッピーエンドを意味しません。

 その割り切れないところが、とても素晴らしい作品ですね。