2006年09月29日
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王様の仕立て屋~サルト・フィニート 6~10 大河原遁

Written By: 川俣 晶連絡先

 さすがに無理な仕事が重なって、何かをする体力も残っていなかったので、買ったばかりの王様の仕立て屋を寝転がって一気読みしました。

 舞台は日本に行き、それからジラソーレの内紛へ。

 どうも調子が狂ってしまうというか、それまでの王様の仕立て屋とはちょっと違う世界になった感がありますね。

 (ああ、そうか。これが初期と今ではノリが違うということなのか)

 まあそれはともかくとして。

 発見したことが2つあります。

 まず、ラウラというキャラクターの変貌ぶり。恥ずかしい服でウェイトレスをしているうちに、新しい芸風を獲得したようですね。活発でチャレンジ精神のある好ましいイタリア娘になっていったようで、これは好ましい変化ですね。相変わらず織部の敵であり続けてはいますが、通すべき筋が織部と噛み合い始めている感があります。

 もう1つは、扉絵がけっこう良いこと。たまに話題にしますが、突撃!パッパラ隊尾で開眼して以来、扉絵が良いコミックはけっこう好きです。

余談 §

 宮崎アニメっぽい断片が目に入ってくるケースがしばしば。

 クレモナは「耳をすませば」(宮崎駿監督作品ではないけれど)で聖司君がバイオリン造りの修行に行く先。

 扉絵には、しっかり「母をたずねて三千里」のレイアウトっぽい絵があったり。

 更に、秋葉原訪問のシーンでは、宮崎駿と名前を高橋留美子と並んで叫んでいるし。

 ちょっと面白いですね。