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ルフィがシャンクスから預かった大切な麦わら帽。それをナミに託すという行為は、いかなる言葉による説明も及ばないほど大きなルフィの「心」をナミと視聴者に強く印象づける。
トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日のワンピースの感想。
サブタイトル §
「涙が紡いだ仲間の絆!ナミの世界地図」
あらすじ §
相変わらずストーリーは全く進行していません。
今回は、アーロン一味とココヤシ村に関するナミの回想の再編集版です。
感想 §
ワンピースで困るのは、過去のエピソードの再編集版が面白いことです。
しかし、今回それが特に面白い理由が何となく見えてきました。
2006年1月3日のワンピース新年特番で、ルフィ海賊団の各メンバーが仲間になるいきさつをまとめた再編集版が放映されています。
今回をそれと対比することで、その理由が見えてきた感があります。
新年特番でも、ナミに関してはアーロン一味とココヤシ村のエピソードが扱われています。しかし、そのまとめ方は決定的に異なります。新年特番ではベルメールさんが大きなウェイトを持って登場することと、アーロンの手先の海軍がナミの金を奪うシーンが含まれています。しかし、今日の回想編ではこの2つのシーンが一切出てきません。海軍が金を奪ったことはナミの台詞から分かるだけであり、ベルメールさんに至ってはその存在すら見えません。
その代わりに、新年の特番では短く要点だけが切り抜かれていたココヤシ村の者達の蜂起、ルフィがナミを助けるために立ち上がるシーン、そしてアーロンとの最終対決などのボリュームが増えています。
その結果として何が変わったのかといえば、ともかくアーロン、ナミ、ルフィの3人の関係についての描写濃度が格段に上がったと言えます。圧倒的な存在感を持つベルメールさんが出ないことによって、短い時間にルフィがアーロンを倒してナミを解放した……というドラマの焦点がより明確化したと言えます。
当然のことながら、ナミとココヤシ村の話を語る際にベルメールさんは外せません。彼女の魅力、存在感は圧倒的であり、ナミに「大好き」と微笑みながらアーロンに射殺されるシーンは屈指の名シーンでしょう。
だから、新年の特番にベルメールさんが登場したことは当然の成り行きと言えます。誰が考えてもそうなるでしょう。
それにも関わらず、本当に価値のある再編集版を作るためには、ベルメールさんを登場させてはならなかった……というのが今回の内容ではないかと思います。
そもそも、なぜベルメールさんが出なければならないのかといえば、それはナミという人物を育て上げたバックグランドを示すためです。しかし、このワンピースという優れた作品は、いちいちバックグランドを示さなくてもキャラクターの背負った生き様を伝えきることが可能です。ならば、まさにここで取り上げるべき焦点となる、その一瞬だけを濃密に切り出した方がより良い作品に仕上がると言えるのかもしれません。
そう……。
つまり、「編集」とは「創作」の一種であり、編集版を作るということは素材の料理方法をシビアに問われるクリエイターの挑戦と見るべきものなのです。
だからこそ、編集版であってもワンピースには緊張感があり、面白いと言えるのかもしれません。
今回の"ONE PIECE 麦わら劇場" §
その3としてOBAHAN TIME
もしもルフィ達がオバハンだったら……。
お醤油を切らしてしまったルフィ。ゾロのところに行ったらそこでも切れていた。なにせ、醤油の瓶がまっぷたつに切れていた……。というネタは大笑いでした。