2006年11月13日
トーノZEROゲームプレイ日記ACE COMBAT X Skies of Deceptiontotal 5914 count

現時点でのまとめ→ACE COMBAT Xの評価・早めに切り上げて終わりそうな意外な理由とは!?

Written By: トーノZERO連絡先

 まだ全ミッション難易度ACEのRANK Sクリアも達成していないのに、こういう話を書くのは気が早すぎる感はありますが。

 ACE COMBAT Xの評価を、現時点での暫定結論に過ぎないと断った上で書いてみようと思います。

「ACE COMBAT=キャラゲー」と見た時の問題 §

 最近、実在機に乗っていません。架空機ばかりです。

 なぜ架空機なのかといえば、性能差があまりに大きいためです。

 なぜ性能差が露骨に出るのかと言えば、チューンという機能があるためです。

 ちなみにFENRIRはチューンの対象になりませんが、最初からチューン済みとも言うべき性能を持っています。

 しかし、この状況に納得しているわけではありません。慣れないPSPの操作で難易度ACEのRANK Sをもぎ取ってくるためにチューンが必要だから架空機に乗ってはいますが、乗りたくて乗っている訳ではありません。もしチューンという機能が無ければ、おそらくTYPHOONやF-15S/MTDやMIG-1.44やSU-37を乗り回しているところでしょう。

 これらの機体に乗れないのはやはり寂しいと思います。

 そこで浮上してくるのは、ACE COMBATシリーズにとっての戦闘機とは何かです。

 少なくとも私にとって、戦闘機とは個性を持つキャラクターです。

 魅力のあるキャラクター、お気に入りのキャラクターとたわむれるために、ACE COMBATシリーズは存在意義があると言えます。

 一般論で言えば、僕はイーグルが好きだから、僕はフランカーが好きだから、僕は国産機が好きだから、僕はヨーロッパ機が好きだから……といった理由から機種を選んでいくやり方はあり得ます。そして、それは間違いではないと思います。

 ここで1つだけ補足すべきことは、実在機だけがキャラクターとして成立するわけではないことです。架空機であっても、キャラを立てることができます。たとえば、X-02やFALKENは、立派にキャラの立った架空機と言えます。

 それにも関わらず、ACE COMBAT Xに物足りなさを感じてしまう理由は2つあります。

 1つは、見知らぬ架空機がいきなり複数出てきて、それらの個性を把握しきれないこと。もう1つは、チューンという機能により、機体の個性が流動的になってしまうことです。個性が流動的であるために、個性の把握はますますやりにくくなってしまいます。

 つまり、ACE COMBAT Xで新規に出てきた架空機は、「キャラが立っていない」し、「個性がゆらぐために、非常にキャラを立てにくい」と言えるわけです。(例外的に、チューンできないFENRIRだけはキャラが立っていて、とても分かりやすいと感じます)

 この特徴は、キャラゲーとしては致命的な欠陥です。

思い通りに飛ばせないという問題 §

 PSPは決定的にボタンやスティックが不足しています。

 ACE COMBATで飛ぶ時には、ピッチ、ロール、ヨー、スロットル、武装の使用ボタンをほぼ同時に操作してしまうこともありますが、同じことがPSPではできません。

 その不自由さを補うために、機銃の自動照準機能などがあるのだと思いますが、それらは戦闘機の装備としてはあからさまに不自然です。戦闘機の機銃は前方に向かって固定されているのが普通でしょう。

 あり得ない機能を使って扱いにくさを補いつつ飛ぶのと、手慣れたPS2コントローラを使って飛ぶことのどちらが好みかといえば、やはり後者と言わざるを得ません。

 もちろん、携帯ゲーム機であるPSPを使えば、場所を問わずどこでも遊べるという長所が生まれます。しかし、実際に電車の中などでプレイしてみた感想を言えば、周囲に気を使いつつ、途切れることのない集中力を要求されるゲームをプレイするのはかなり疲れます。しかも、コンディションは最善ではないので、最高の成果が期待できるわけでもありません。

 気楽に飛べない上に、成果も低めとなれば、積極的に屋外でプレイする理由もあまりありません。

 それゆえに、単なる寝る前の娯楽として「飛ぶ」だけなら、PS/PS2用のACE COMBATで飛んだ方が楽しい……と感じます。

結論・これは「また別のゲーム」である §

 多数の架空機とチューンという機能を持ち込み、全く異質で不十分な操作体系を持つACE COMBAT Xは、従来のACE COMBATシリーズとは全くの「別物」と考えて良いと思います。

 深読みするなら、ACE COMBATというシリーズは非常に早い時期に「完成形」「究極系」を実現してしまったために、迷走してしまった……ということも考えられると思います。特にACE COMBAT Xは複数の制約が課せられて、クリアするだけでも苦労するミッションがいくつもあります。高度とレーダーに気を使いつつ敵を確実に撃破するであるとか、素早く無誘導弾を的確に落とすことを要求していながら激しい機動を行うと爆発してしまうであるとか、楽しく気楽に遊べないミッションが珍しくありません。もちろん、過去のシリーズにも厳しいミッションはいくつもありますが、条件が複合することは多くなかったと思います。

 もしシリーズの「迷走」という問題が実在するとすれば、おそらくそれはACE COMBAT ZEROから既に始まっていたのだろうと思います。ゲーム的に上手く活用できていたとは言い難いASGの存在は、そのような印象を強く感じさせます。

 おそらく、ACE COMBAT 5の存在感があまりにも大きすぎて、どうしてもそれを乗り越えようと意識してしまうのでしょう。しかし、乗り越える必要はないのです。開き直って単純で分かりやすいゲームとして新作を作って構わないのです。事実として、画質以外は驚くほど単純なゲームへと退化したかのように見えるACE COMBAT 04が未だに強く愛されている事実を見れば分かると思います。

 事実として私が期待するのも、単純で分かりやすい娯楽としてのゲームです。けして、より困難なゲームに挑戦したいと願っているわけではないのです。

 というわけで、ACE COMBAT Xは全ミッション難易度ACEでのRANK Sクリアと、ソロプレイで入手可能な全勲章の獲得ぐらいで終わりになるかな……という漠然とした印象を受けています。その後は、ACE COMBAT 5に戻るか、ZEROに戻るか……という感じです。この2つのタイトルには、まだやり残しがある感じですので。

余談・ならばACE COMBAT 3はどうなのか? §

 この結論を書いて思ったのは、架空機だらけだったACE COMBAT 3も「別物」だったのか……という疑問です。

 しかし、ACE COMBAT 3は「別物」ではないと考えます。ACE COMBAT 3は通常のACE COMBATシリーズに入れて良いと思います。

 なぜかといえば、ACE COMBAT 3に登場する機体は、どれもキャラが立っていると感じられるからです。たとえば、ニューコムルートの最終自機となるR-103 デルフィナス#3と、ゼネラルルートの最終自機となるXFA-36A ゲイムの違いは、はっきりと印象に残ります。女性的な繊細さを感じさせるデルフィナス#3と、男性的なパワーと攻撃力を感じさせるゲイムは飛ばしてはっきりと違いを感じられ、印象に残ります。

 見事なまでに戦闘機のキャラが立っています。

余談・ACE COMBAT ZEROに感じる違和感の正体 §

 戦闘機を個性を持ったキャラクターと見なし、ACE COMBATをキャラゲーと見なす視点は、実はACE COMBAT ZEROに感じる私の違和感を的確に説明してくれます。つまり、登場する敵の戦闘機が既にキャラクターであるのに、それに更に別の「エースパイロット」というキャラクターが搭乗していることが「過剰にくどいキャラクター性」に感じられてしまうわけです。

 ちなみに、「繰り返し出会う宿敵」というキャラクターは全く別の存在意義を持っていると言えます。Z.O.Eにしろ、黄色中隊にしろ、8492にしろ、宿敵として繰り返し出会い、戦うシチュエーションは燃えます。この場合に限っては、キャラクターである戦闘機にパイロットというキャラクターが乗ってきても「くどい」とは感じません。

 しかし、燃えるためには以下の2つの条件が必要です。

  • 数が少ないこと (多くてもせいぜいグラーバクとオヴニルの2隊ぐらい)
  • 2回以上戦うこと (1回倒して終わりなら「ライバル」にならない)

 ACE COMBAT ZEROのエース達は、結局のところこの2条件を満たしていないのです。

余談・キャラゲーとしてのACE COMBAT 5の優秀性 §

 戦闘機をキャラクターと見なした時、ACE COMBAT 5の優秀性が特に秀でていると思います。その理由は以下の2つです。

  • 性能差が少なく、序盤の機体でも楽しく使い切れる
  • 特殊兵装が固定されているので、機体の性格が強く固定される

 実は特殊兵装が選べる……という機能性はさほど大きな価値とは考えていません。それは機体が持つキャラクター性なのだと受け入れた上で、その制約と戦うことが面白さだと感じていました。

 また、機体の性能差が少なく、序盤の機体でも機動性が高いために、様々な機種に乗って遊ぶということができます。これは、キャラゲーとしては楽しい特徴です。

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