2006年11月19日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 14005 count

IISのSMTPサービスを運用していると\Inetpub\mailroot\Badmailにファイルが溢れかえる問題

Written By: 川俣 晶連絡先

 ふとしたことで気付いたのですが。

 IISのSMTPサーバを一般のインターネットからアクセスできる状態で運用していると、以下のディレクトリに膨大なファイルが蓄積される可能性があります。

(システムドライブ):\Inetpub\mailroot\Badmail

 実際、うちの某サーバは、このディレクトリに21321ファイルもありました。これは、エクスプローラで扱うと、操作内容によっては非現実的な待ち時間が発生するファイル数です。

原因 §

 IISのSMTPサーバは、配信不能なメールを受け取った場合、配信不能レポート(NDR)を返送します。このNDRを返送できない場合、「不正メール ディレクトリ」にそのメールを格納します。

 「不正メール ディレクトリ」は、デフォルトでは(システムドライブ):\Inetpub\mailroot\Badmailとなるようです。

 IISのSMTPサーバが、不特定の外部サーバからの受信を受け付けていて、かつ、spammerに(誤認であれ)そこに電子メールアドレスがあるかのように認識されている場合、継続的に受信される送信元詐称spamによって、「不正メール ディレクトリ」が膨れあがることになります。

解決方法 §

 無制限の外部からの受信を禁止するのが、最も望ましい解決手段でしょう。

 しかし、それができない場合は、定期的にこのディレクトリを清掃するしかないでしょう。

 ちなみに、溜め込まないで管理者に電子メールで通知する……という選択肢は存在しないようです。(コピーを送る機能はあるようだが)

感想 §

 IISのSMTPサーバは、昔に比べればかなり良くなったと思っていましたが、まさかこんな落とし穴があったとは!

 たぶん、ベテランのIIS管理者にはFAQで、対策も既に確立されているのでしょう。

2009/09/09追記 §

 三太郎峠さんより頂いた情報です。やはり問題を抱えたのはうちだけではなかったようです。

Badmail フォルダが膨れ上がる対策としてWindows Server 2003 R2 では、サーバーの役割追加:ファイルサーバの追加後に クォータを作成し、指定フォルダの容量制限を加える方法があります。

当方には20日間で10万通(実質は3倍)のファイルがあり、ウィルス駆除システムが原因不明のエラーで停止したために、この部分からウィルスが入り込み、再インストールを邪魔するウィルスまでも存在し、後始末が大変でした。ファイルを削除するには、エクスプローラでは巨大ゆえ「応答なし」になりますので、DOSモードで行う必要があります。