2007年07月31日
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水色スプラッシュ 舞阪洸 紫☆にゃ~ 富士見書房

Written By: 川俣 晶連絡先

 ちょっと前に出たコミックスですが、最近買って凄く気に入ってしまいました。

 内容的には、18禁ではないハイレグ競泳水着フェチコミックです。

 で、ここが重要。

 この作品は、世の中の主流は旧スクである……という認識が根底にあって、それでも主流に逆らって競泳水着が好きなんだ、というスタンスで作られています。

 たとえば、後半に2エピソード使って行われる学園祭の話は、競泳水着喫茶の水泳部と、スク水喫茶の漫画部の対決となります。

 圧倒的に客に支持されるスク水喫茶に、競泳水着喫茶が挑戦して、結果として敗北します。

 そう……、敗北してしまうのです。

 水泳部は、罰ゲームとして、(男子マネージャの主人公を含め)スク水で校庭を走らされます。

 それでも、競泳水着が好き……という気持ちは貫徹されます。

 つまり、少数派であり、世間から理解されず支持されない存在だけど、好きなんだもんね……という価値観の作品なのですよ。

 こういう、逆境に逆らった「好きだ!」という叫びは清々しい魅力があると思います。

 これは私にとっても、凄く気持ち良いですね。

 (世間が素晴らしいと規定するものに背を向け、流行とは関係なく、好きなものは好き! というのは昔の「おたく」の価値観かも?)

 ちなみに、最も良かったのは競泳水着の上に体操服の上着を着ている描写です。これが描けるのは本当に分かっていますね。体操服の下に、ハイレグの水着が少しだけ見えているフェティッシュ感は俺的には最高ですね。

 それでいて、全くおいらには理解できない水泳関係の専門用語が飛び交っていて、水泳部の描写が、それ自体がマニアックという可能性も。

 あと、寒い季節の練習で身体を温める風呂もあって、そこに水着を着たまま入っている……というのも、かなりフェティッシュ感のある描写ですね。

 もう1つ、スクール水着の描写もかなりこだわりがあって良い感じです。たとえば、23歳の女性教師がタバコをくわえながらスクール水着を着ている……というのも、非常に分かっているフェティッシュ感だと思います。本来少女が着るはずの水着を、このような大人の女に着せるというのは、逆説的に「分かっている」描き方です。

 実に見事ですね。