2007年11月04日
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『山手線ホーム限定マンガ! SQ.レスキュー隊が行く!!』攻略の手引き

Written By: 川俣 晶連絡先

 2007/11/01~15限定公開のジャンプSQ.:山手線ホーム限定マンガ!SQ.レスキュー隊が行く!!を全部読んできました。

 意外と楽ではないことが分かったので、攻略の手引きをまとめておきます。

内容は何か §

 多数の漫画家による脱力系ショート漫画が、広告ポスター形式で各駅のホームに張り出されています。内容はSQ.レスキュー隊というグラサンとデブの2人組が各駅で下車して、ご当地にちなんだネタを使い、ジャンプスクエアという新雑誌を宣伝するというものです。この2人組は基本的に全作品で同一人物ですが、作者によって微妙に解釈が違う場合もあります。

掲示場所 §

 ジャンプSQ.:山手線ホーム限定マンガ!SQ.レスキュー隊が行く!!に書かれた以下の駅の以下のホーム上に間違いなくあります。

  • 東京駅 (4番線ホーム) … 和月伸宏 先生
  • 御徒町駅 (2番線ホーム) … 山本ヤマト 先生
  • 上野駅 (3番線ホーム) … 片倉・狼組・政憲 先生
  • 田端駅 (3番線ホーム) … 増田こうすけ 先生
  • 駒込駅 (2番線ホーム) … 池田晃久 先生
  • 原宿駅 (1番線ホーム) … 神尾葉子 先生
  • 渋谷駅 (2番線ホーム) … 小畑健 先生
  • 大崎駅 (1番線ホーム) … 遠藤達哉 先生
  • 田町駅 (2番線ホーム) … 木下聡志 先生
  • 浜松町駅 (2番線ホーム) … 浅田弘幸 先生
  • 新橋駅 (5番線ホーム) … かずはじめ 先生

 上記の情報は全て正確です。指定された番線のあるホームにある……のではなく、そのホームで指定された番線側に必ずあります。つまり、島式ホームであっても、ホームの片側だけを探せば必ずあります。場所は主にベンチの上の広告スペース等です。

なぜ難しいのか §

 コミックはホーム上の一箇所にしか存在しません。しかし、その場所までは分かりません。そして、山手線は20メートル級11両編成なので、ホームの長さはおおむね220メートルとなります。仮に、ホーム中央で降り立ち、コミックがホーム先端に掲示されているとき、一度終端まで探しに行ってから先端まで歩くと、330メートル歩かされます。平均値はこの約半分の150メートルとしても、11駅で歩くと計1650メートルになります。ひっきりなしに電車が到着して人が乗り降りする山手線でこの距離を歩くのは、かなり大変です。また電車の待ち時間に立ち続ける労力や、移動中に座れないことによる疲労なども加味すると、かなりのエネルギーを食います。

 もう1つ注意すべき点があります。このコミックでは「次はXX駅X番線」という表示が最後に入っていて連続しています。順番は全て山手線内回りに乗って巡回することが前提となっています。ところが、一部のコミックスは山手線外回りのホームに掲示されています。その結果、跨線橋をいちいち上がって降りる手間が生じる場合があります。

攻略のツボ §

 以下に攻略のツボを書きます。

  • どの駅から開始するかは自由。上のリストでは東京駅から始まり新橋駅で終わるかのように見えるが、新橋駅には「次は東京駅」と書かれていて、実際はエンドレス。自分にとって最も無駄の少ない開始駅を選ぶべき
  • 到着するホーム=掲載ホームの場合は、電車がホームに入る時に「ベンチの上」等の広告をしっかりと見ておく。これにより、目的のコミックを行きすぎて止まったら最短距離で読みに行くことができ、もし目的のコミックを見ていなければそれより先に掲載されていることが容易に推測でき、探索範囲を狭めることができる
  • そのような方法を使わない場合、電車に乗る際は1号車または11号車から降りると、ホーム上の片道移動1回で全体を確認できて無駄が少ない
  • 探索に時間が掛かると、読み始めてすぐ電車が来ることもある。読むときは素早く読み、それでも電車がすぐ来ない場合はじっくり読み直す
  • 基本的には山手線で移動するが、上野駅→田端駅の経路のみ、京浜東北線快速でショートカットできる
  • 駒込駅→原宿駅はかなり長距離を一気に移動することになるので、できれば椅子に座って休んでおく

感想 §

 基本的には夏休みに鉄道各社で行われるスタンプラリーに似た趣向です。しかし、スタンプの設置場所は親切に案内されるのと違って、これは案内がありません。自力で探すしかありません。宝探しのようでもあり、ちょっと面白いです。実にしょうもないマンガでも、探し出して読まねばならない隠された宝という価値を与えられていれば、それを読みに行く楽しさもあります。だから、これは自分で探して読んだ者だけが楽しめる作品だろうと思います。

 それから、これを読んでいて、マンガ界とオタク界の違いを感じました。御徒町掲載のコミックでは秋葉原のメイドも出てきますが、オタク界はマンガ界から見ればサブセットの世界なのでしょう。マンガ界の方が遙かにスケールが大きいことを強く感じました。そもそも、山手線のこれだけのコミックスを掲載するには金が掛かるでしょう。しかも、1つの作品は1駅にしか掲載されません。たったそれだけの原稿を依頼できるというのが、スケールの大きさを感じさせます。

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