2008年02月12日
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9巻・73時間目扉絵の路面電車屋台は、学園祭ラストへの伏線だった

Written By: 川俣 晶連絡先

 1巻からの読み直し作業で学園祭編より手前のエピソードを読み直して、非常に多くの収穫がありました。本来なら分かっていなければならなかった、メガロメセンブリアでネギを襲った少年との過去の経緯等もしっかり再確認できました。

 というわけで、9巻からは本当にオマケに過ぎません。単に1~10巻の読み直しと決めたから読んでいるに過ぎません。

 しかし、面白いことが分かりますね。

 学園祭編が始まる9巻の2つ目のエピソードが73時間目ですが、扉絵は超包子の路面電車屋台です。学園祭編が、最終的に路面電車屋台で幕を閉じたことを考えれば、学園祭編が始まってすぐに路面電車屋台をアピールしたのは、結末の伏線だったと言えますね。

 もう1つ注目したいのは、73時間目というエピソードが持つ役割は、けして路面電車屋台のアピールではない点です。このエピソードは四葉の魅力をアピールする作品であり、しかも非常に内容は優れています。路面電車屋台とは四葉の背景に存在するアイテムであり、印象に残るもののあくまで背景です。それが、まさかラストシーンであのような活躍を見せるとは、予想もしていませでした。

 つまり、このエピソードでは以下の2つの相反する要求を同時にこなしているわけです。

  • 重要アイテムの路面電車屋台を披露して読者に印象づける
  • しかし、それに特別な役割が予定されていることを読者に察知されてはいけない

 更に言えば、学園祭編ラストで路面電車屋台を動かした四葉こそが、最終的に事態を収集した立役者であり、彼女の紹介編が73時間目だったとも言えます。

 やはり学園祭編は最初から最後まで見事です。

2008/02/15追記 §

 更に9巻のラストでは超、葉加瀬、茶々丸が飛行船の上に立っているという描写が。ラスボス超の居場所が飛行船の上出ることは、9巻の段階で明確に示されていたわけですね。

 しかも巻末の設定画では椅子がジェット噴射口になるという設定までモロに描いてあります。

 つまり、9巻の時点で既に学園祭編のラストシーンは用意されていたわけですね。

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