2008年05月29日
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遊☆戯☆王5D's 誰でも切り札の1枚は大切に隠し持っているものさ!

Written By: トーノZERO連絡先

 収容所の鷹栖所長とデュエルすることになった不動遊星。

 しかし、彼のデッキは手元にはない。

 矢薙典膳や氷室仁が持つデッキは、強制的に鷹栖所長に没収されてしまう。彼らからデッキを借りることすらできない。

 このままでは、遊星はデッキ不所持で不戦敗となってしまう。

 だが、そのとき、収容所の荒くれたちが遊星を取り囲んだ。

 「ちょっと顔を貸せよ」

 「なんだ」と遊星は警戒した。

 「ふ。デュエリストなら、誰でも切り札の1枚は大切に隠し持っているものさ!」

 「なに?」

 「俺たちが持っている切り札の1枚を全ておまえに託す。みんなで相談して、そう決めた。さあ、オレのとっておきを受け取ってこれ。これで鷹栖の野郎をぶっ飛ばしてくれ」

 「これは……。ブラック・マジシャン・ガール……」

 「悪いか。これがオレのベスト・パートナーだ」

 「いや。確かにこれはブラック・マジシャンとのコンボも強力な、切り札になるカードだ。ありがたく使わせてもらおう」

 「分かってくれるか。ありがてえ」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「ちょっと恥ずかしいけど、これがオレの1枚だ」

 「またブラック・マジシャン・ガール……」

 「同じカードじゃダメかな?」

 「いや、そんなことはない。魂のこもった良いカードだ」

 「へへへ。ありがてえ」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「オレのラブがこもったカードだ」

 「これもブラック・マジシャン・ガール……」

 「やっぱりダメ?」

 「いや、同名カードはデッキに3枚まで入れることができる。有効に使わせてもらうよ」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「オレのカードも受け取ってくれ!」

 「まさか。こいつもブラック・マジシャン・ガール……」

 「じゃあ、使ってくれよ!」

 「待て。同名カードはデッキに3枚までしか……」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「ブラマジガール最高!」

 「ちょ、ちょっと待て。言い方を変えても同じブラック・マジシャン・ガールじゃないか」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「BMG最高!」

 「だから言い方を変えてもカードの名前は同じブラック・マジシャン・ガールだぞ」

 そして次の男が遊星にカードを渡した。「お、オレも実はBMGなんだ」

 「おい」

 「オレの檄ラブ、ブラマジガール受け取ってくれ!」

 「ちょっと」

 「オレも大好きBMG」

 「待て」

 「BMGの魅力、鷹栖所長に教えてやってくれよ!」

 「だから」

 「ブラック・マジシャン・ガール最高!」

 「誰か他のカードを持ってる奴はいないのか!」

 「お、オレ。お注射天使リリーなら……」

 「マジックは? トラップは?」

 「(し~ん)」

 そして、鷹栖所長とデュエルする時刻が訪れた。

 「ではさっそくデュエルを始めようか」

 という鷹栖所長を遊星は遮った。

 「その前にカードをトレードしないか? ここに超人気のブラック・マジシャン・ガールのカードが40枚ある。価値があるものだぞ。ぜひ欲しいだろう?」

 「はっはっは。オレがそんなものを欲しがると思ったか」

 「やはり買収はだめか」

 「そのカードは全て没収だ! 全部オレのコレクション金庫にいれておけ! 後でたっぷり愛でてやるから大切に扱えよ!」

 「って、やっぱり欲しいのかよ」