これまでスカイ・クロラ(仮)とされていたスカイ・クロラ イノセン・テイセスの公式サイトが更新されました。
(仮)が取れて、おそらく「スカイ・クロラ イノセン・テイセス」が正式タイトルで決定なのでしょう。
しかしこれはもう、このタイトルだけで酔えますね。
言葉のセンスが森博嗣クラスの見事さです。
何しろ、「イノセン・テイセス」は英語では"Innocent Aces"と綴るのです。
つまり、まっとうにカタカナに置き換えれば「イノセント・エイセス」となるはずなのに、綴りの区切りを勝手に取っ払った上で、単語の区切りでない場所で切り離しています。これはもう、TANGO LINEもびっくりの「あり得ない」単語再構成です。
更に言えば、なぜか現在押井守監督の代表作とされることも多い「イノセンス」という映画のタイトルと酷似しています。「イノセン・テイセス」から「・テイセ」を抜けば「イノセンス」になります。つまり、極めて押井っぽさの出ているタイトルでもあります。
もちろん、単に「押井の代表作のもじり」であるだけなら論外です。しかし、実際には名前の中に森博嗣でも押井守でもないProject Acesらしい"Aces"という文字が含まれていることによって、第3の自己主張が強く表現されています。
つまり…… §
このタイトルには、以下の3つの要素が完全に凝縮されています。
- 森博嗣的な優れた言語感覚
- 押井守的な世界観を思い起こさせるトリガ
- 一体としてとけ込みながら、けして消滅することのないProject Acesの強い存在感
それらの全てが「イノセン・テイセス」という、たった9文字(中黒を文字として承認しなければ8文字)に凝縮されているわけです。
これはもう言葉の冒険であり、言語空間の飛翔体験そのものだと言っても過言ではないでしょう。
感想 §
それにしても、まさかタイトルだけでこれほど楽しませてくれるとは。
ACE COMBAT 6で「解放への戦火」のような平凡なサブタイトルを付けてきたProject Acesなので、うっかり油断していました。しかし、かつてはshattered skiesやTHE UNSUNG WARといった凝った名前を付けてきた実績があるわけですから、油断してはいけなかったわけですね。
告知 §
タイトルが正式に決まったので、オータムマガジン上でも「スカイ・クロラ イノセン・テイセス」のキーワードを新設してこれからはACE COMBATシリーズ各作品とは話題を分けます。