2008年07月03日
トーノZEROアニメ感想ポケットモンスター total 4281 count

ヒカリは「母」の属性を獲得するか?

Written By: トーノZERO連絡先

 トーノZEROのアニメ感想です。

 今日のポケモンDPの感想。

サブタイトル §

「ポケットモンスターダイヤモンド・パール 今年も熱いポケモンの夏1時間スペシャル」として以下の2話と映画「ギラティナと氷空の花束シェイミ」の情報。

「ウラヤマさんちの大食いウリムー!」

「グライガー!友情の翼!!」

あらすじ「ウラヤマさんちの大食いウリムー!」 §

 サトシ達は、裏庭でポケモンを遊ばせる金持ちのウラヤマさんと、メイドのモニカさんに出会います。そこには、大メシぐらいの野生のウリムーが遊びに来ていました。ウリムーはヒカリが作るポフィンを好みました。

 ロケット団はサトシ達とウラヤマさんのポケモンを奪って逃走します。逃走するメカに捕まることに成功したヒカリは、ウリムーの協力でロケット団を追います。しかし、ウリムーは食べ物ばかり探し出します。

 ヒカリの涙を見たウリムーは、今度こそロケット団を探し出し、ポケモン達を助け出します。

 サトシ達も駆けつけ、ロケット団は撃退され、ヒカリはウリムーに一緒に来ないかと誘い、バトル無しでゲットします。

感想「ウラヤマさんちの大食いウリムー!」 §

 凄くいい加減に根拠のないことを書きます。

 ヒカリというのは、これまで「ヒロイン」でした。それは、彼女が世界の中心で光り輝くことを意味します。なぜ、ヒカリが「ヒロイン」であることができたのかといえば、それは実質において世界の中心として機能する圧倒的先輩、強者としてのサトシの存在があればこそです。

 しかし、今回はヒカリただ1人でロケット団に立ち向かうことが要求されてしまいます。汚い仕事を押しつけられる男はいません。頼れる自分の手持ちポケモン達もいません。どこまで当てにして良いのか分からないウリムーの貢献を除けば、何もかも自分1人でかぶる必要が生じます。

 そこでヒカリが獲得した属性は「母親」です。これまでヒカリがゲットしたポケモン達との関係が主に友達や仲間であるとすれば、ウリムーとの関係は母と子に近いと言えます。

 バトルしないでウリムーをゲットできたということは、実は母子関係において母は絶対的な支配力を発揮することの1つの現れなのでしょう。

 つまり、ヒカリは自らを主役とする「ヒロイン」の立場に加え、見守り支援し暖かく包み込むサポート役としての「母親」の役割もゲットしたことになります。

 サトシが決定的な変化を迎えたように、ヒカリもまた人格的に大きな奥行きを手に入れたことになります。

 それはさておき。羨ましいだろう、が口癖のウラヤマさん。駄洒落センスがナイス。

 美人で有能なメイドのモニカさん。タケシでなくても惚れますね。

 それから、ロケット団の名乗りの背景の輝くRの文字がいい。回転しながらキラッと光るところが、ロケット団の輝かしい希望を表現しているようです。3DCGを無理にアニメ調のシェーダーで処理しないからできた表現ですね。

あらすじ「グライガー!友情の翼!!」 §

 シンジのグライオンに負けたことから、グライガーは強くなるためにバトルの練習を希望します。しかし、相手を怖がる恐怖心から戦いの途中でサトシのところに逃げてしまいます。

 サトシ達はシゲルと再会します。シゲルは、グライガーを強くするにはサトシのやり方ではダメだといい、グライガーを進化させる鋭いキバをサトシに渡します。

 そこにロケット団が襲来し、グライガーをさらいます。サトシは1人でグライガーを追います。サトシとグライガーはロケット団に捕獲されますが、2人で協力して脱出します。その過程で、大きな自信を得たグライガーに、サトシは鋭いキバを与えてグライオンに進化させます。グライオンは、谷に落ちたサトシを助け、ロケット団を圧倒します。

感想「グライガー!友情の翼!!」 §

 サトシのやり方は、根性と体当たりです。

 ポケモンにそのことを真に納得するためには、サトシ自らが身体をぶつける態度を見せる必要があります。そもそも、ピカチュウがサトシに心を開いたのも、そのような態度をサトシが見せた後になります。

 ところが、この「体当たり」は普通の状況では見せることができません。何かしら良くないトラブルが起き、その過程でサトシ自らが身体を張らねばならない状況が起きねばなりません。

 その意味で、今回のロケット団の介入はまさにベスト。手詰まりになったサトシにとっては救いの主だったかもしれません。

 更に言えば、そのような面倒なサトシであることをよく知っているシゲルであるから、わざわざ手間を掛けてサトシに協力する意欲も沸くのでしょう。

 サトシは、まさに放っておけないタイプなのかも。

 それはさておき、グライガーを進化させるタイミングを見計らうという意味では、今回のサトシは良い判断をしています。恐怖を克服しなければ進化させない、というのは実はあまり的確な表現ではありません。恐怖の克服の勢いを、進化の勢いと合わせることで、自信を倍増させる戦略的なやり方と見るべきかも。

今回の一言 §

 「グライガー!友情の翼!!」でグライガーを抱きしめて大丈夫というヒカリは、母としての属性を示しているようにも見えます。もしかして、サトシを父、ヒカリを母とする一種の大家族になっていくのでしょうか?