「「崖の上のポニョ」の感想・単純明快なのに、みんな見終わって難しい顔で出てくる謎の映画?」に書いた、見終わって出てくる観客の8割が難しい顔だった理由は、半魚人のポニョを好きになれというハードルが高かったから、という説に対して「ぽにょー」さんより異論がよせられました。
以下、要点を抜粋します
むしろ、感想サイトを回っていて、現実を直視できない人の多さにびっくりしました。
なんか、ストーリーを解釈できないらしいんですが、「海がすごく汚いのに誰もそれを問題にしない云々」とか、それはただの現実じゃないか! 東京湾沿岸に住んでた者としては、それを問題にするなら二十年前からしておけヨ! と言いたくなるよーなことをごちゃごちゃ言ってる人とかw
「五歳児がしめしめなんて言葉使わない」使うよ! たまたま聞いたおとなの言葉を使ってみたい年頃なんだよ! 本物の子供知らないだろオマエ! と言いたくなるよーなことでケチつけてる人とかw
やれやれ。トーノさんに言っても仕方ないんですが、そういう人に限ってメッセージを受け付けてなかったりするので、つまりそういう人たちが8割の「難しいカオ」なんじゃないかなと。
確かに、そのような解釈はありでしょう。
ただ、ネットの世界には「権威を貶めることで、自分が賢いことをアピールしようとする」者達が多いので、その点は注意が必要だと思います。
彼らのようなタイプは、実際には知識も見識も十分ではありません (十分ならわざわざアピールするまでもなく周囲から賢さを認められているはず)。それにも関わらず、「賢い僕」をアピールしなければなりません。そのためには、以下の条件を満たすターゲットが必要です。
誰も知らないものを叩いてもアピールにならないし、みんなが嫌いなものを叩いてもみんなと同じ行動になるだけ。しかし、知識も見識も十分ではない彼が扱えないほど難しい対象には手出しができません。どうしても、分かりやすい対象が必要です。
宮崎アニメの新作は、まさにこの条件を満たします。
彼らは喜び勇んで映画を見に行き、僅かでも隙を見つけると大騒ぎして非難します。これにより、ネットはポニョ非難の感想に満ちあふれます。
ところが、ここに1つの罠があります。
知識や見識の無い彼らが発見した「隙」は、たいていの場合、実は「隙」でも何でもなく当たり前のことを描写しているだけなのです。
つまり、僕の賢さをアピールする戦略は、実質的に失敗します。結果として、映画を見て理解することもできない馬鹿者という印象を読む者に与えてしまう可能性を生んでしまいます。
更に言えば、彼らの目的は最初から非難することにあるので、「隙」を探す行為しか行っていません。メッセージを受け取ろうという意欲が全くないので、それを受け取ることもあり得ません。
さてここからが本題です。観客のうち、どの程度の割合がこのタイプでしょうか?
いかにネット上に多くのこの種の感想が見つかるとしても、絶対人数としてはそれほど多くはないでしょう。全観客の8割に達することはないような気がします。
気がするだけで根拠はありませんが。