2008年11月18日
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OAD第二話『つまりあのコが大本命!?』をざっと見た最初の感想

Written By: 川俣 晶連絡先

 24巻初回限定版のOAD第二話『つまりあのコが大本命!?』を1回ざっと見た第1印象の感想を簡単に書いておきます。

 基本的には以下のような印象を受けました。

  • 萌えアニメとして良心的に作ろうと努力している
  • その努力は、逆に原作の「美味しいところ」をかなりの割合で取りこぼす悲惨な結果になっている

 より具体的に言えば以下の問題があると感じられました。

  • 本来あるはずの心理描写がごっそり欠落している (本来はそこが見所)
  • 作品にメリハリが少ない (キャラの違いや状況による違いを、演出的にあまり描き分けられていない)

 これは、「萌えアニメとして良心的に作る」という行為の必然的な帰結だろうと思います。なぜなら、「萌え」とは「心理」を除去して記号化された世界であり、キャラの役割や状況の違いも交換可能な記号になるからです。萌えアニメとしての「良心」とは、いかにして絵を綺麗に描くか、キャラを安定的に似せるかという部分に発揮されるように見えます。

 だから、萌えアニメのスタッフが、良心的に良い作品を作ろうとしたことは事実だろうと思います。コアなオタクを客層とし、萌えマンガ雑誌に連載される萌えマンガを原作としたアニメなら、そうそう文句は出ない水準でしょう。たぶん。(そういうマンガとしてネギま!を読んでいる人たちからも、そうそう文句は出ないでしょう。たぶん)

 まあ、ざっと見た第1印象に過ぎないので、本気で信じてはいかんぞ (笑。

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