2008年12月06日
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白根記念渋谷区郷土博物館・文学館 特別展「『春の小川』の流れた街・渋谷 -川が映し出す地域史-」

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は白根記念渋谷区郷土博物館・文学館特別展「『春の小川』の流れた街・渋谷 -川が映し出す地域史-」に行ってきました。

白根記念渋谷区郷土博物館・文学館

特別展「『春の小川』の流れた街・渋谷 -川が映し出す地域史-」 §

 加瀬竜哉.com : no river, no lifeのNHK 熱中時代への出演とも関連する特別展です。実は私自身は「春の小川」には思い入れはないし、渋谷の川への興味もそれほど大きなものではありません。しかし、平成20年12月21日(日)までという日程なので、やっているうちに見ておこうと思って行きました。

 しかし、内容を期待していたわけではありません。良かった昔と、跡形もない無惨な現在を比較して、根拠のない情緒に訴えるのが主題かなと思っていました。「春の小川」とは、そういう連想を誘う題材に思えたのです。

 ところが……。

 いざ実際に行ってみると、とんでもない勘違い。

 実際は、江戸時代から現代に至る、渋谷川を含む中小河川の変遷を、水路の統廃合や下水としての歴史まで踏まえて網羅的にまとめたものです。下水としての役割は江戸時代まで遡っての話になります。「春の小川」など、ほんの入り口の話のつかみに過ぎません。

 小さな川や水源まで網羅した地図をまず最初に見せられるともう嬉しくて絶句。

 しかも、江戸時代の大名屋敷内の水源地であるとか、宇田川と渋谷川の合流点の付け替えであるとか、渋谷駅前の渋谷川の付け替えとか、そういう話題も詳しく説明。

 更に、何も考えずに訪問した時間が学芸員による展示解説の直前。思わず、1時間以上掛かった解説を最後まで聞いてしまいました。この展示を企画構成したという学芸員の、「たはら」さん、ナイス! そう声を掛けようかと思いましたが質問攻めにあっていたので、それはやめておきました。

 本当は下水道網の分水嶺は厳密にどこか、という質問をしようかと思っていましたが、下水道台帳を見れば分かることなので他の人に質問のチャンスを譲りました。(渋谷区の下水道網は、玉川上水のあたりを境に全く別系統になる)

感想 §

 私自身の水路趣味での主たる興味の対象ではない渋谷区を対象にした、という点を除けば、まさにパーフェクトな特別展でした。特に小さな河川をきっちりと踏まえたことと、それらの行く末である下水道網について詳しく取り上げたことは素晴らしいと思います。

 それはさておき、渋谷区と杉並区の最大の違いは、おそらく大名屋敷の有無だろうと思いました。大名屋敷があるということは、図面等が残っていて水路を確認できる可能性があります。そういう意味で、杉並区でも同じような特別展は難しいかも。

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