これは凄いじゃないか! ハイセンス美麗模型雑誌F-15/16特集の表紙を飾れるACE COMBAT 6のCGクオリティ!!に対して、名前もメールアドレスも書かない人から以下のようなメッセージが来ました。
今月号のモデグラにエスコン6の痛機(Su-47)が載ってるんだけど見た?
しかし、「見た?」と言われたら答は「見た」「見てない」の二者択一になるわけですが、返事を送る相手が無いのでは手も足も出ません。疑問文を書いておきながら答の送り先がないのは自己矛盾です。
ところが事態は急展開する §
それにも関わらず馬鹿正直に、どの記事だったか……と思ってモデグラを開いてみても見つからない……。そういえば、Su-47のアイマス機の作例を見た記憶もない……。
思わず確認してみると2008年12月25日発売の2009年12月号を買い忘れていることが発覚。
なんてこったい!!
しょうがないので、買ってきました。
ありがとう、1月2日から店を開けていた啓文堂書店!
見たのだが…… §
リーダーズ3Dギャラリーの"ACE COMBAT 6 Su-47 -THE IDOLM@STER MIKI-EX -ズベズダ 1/72 インジェクションプラスチックキット 埼玉県 ニワカPさん"がそれですね。
うーん、これはとてつもなく微妙なラインの作品というか……。咄嗟に評価の言葉が出ません。
というのは、以下の2つが同時に発生するからです。
- 昔書いた通り、軍用機に女の子を描く行為は「史実」に見られることであり、本質的に何らおかしくはない (痛いと認識するのは間違っている)
- でかでかと描くアイマス機の女の子の描き方は、細部が非常に見えにくいACE COMBAT 6というゲーム中で扱うやり方としては妥当である (機首や尾翼にちまちま描いてもまず見えない)
何? 何の問題もない? この作例を肯定して終わりだろうって?
そうではありません。
「ACE COMBAT 6というゲーム中で扱うやり方としては妥当である」という評価は、裏を返せば、このような描き方はこのような特殊事情の中でのみ肯定しうるものであり、実機や模型であれば妥当ではないと言っているのと同じです。
つまり、上記の2つは「肯定」と「否定」の相反する2つが同時に成立している訳です。
更にもう1つの相反する要素があります。
- ACE COMBAT 6のアイマス機として作るなら、ゲーム中のデザインに忠実であるべき。従って、この作例は正しい
- 模型としての見栄えを最大化すると考えれば、もっと上手いやり方があるのではないか?
この部分は非常に微妙で、どちらを選んでもしっくり来ません。
というわけで、「うーん」と考え込んでしまいます。
その上更に事態は急展開する §
しかし、このモデグラ2009年2月号の真の爆弾はそこにはなかった!
瑞雲作例記事に登場する宮崎駿本人。
しかも、次号と次次号で九試単戦のカラー漫画を描くという予告。
どうも、堀越技師は本当のことを言っていない(名著『零戦』に書かれたことは本音ではない)という、既存の常識をぶち壊すような話をやるようです。
題材は何と九試単戦ですよ。しかも1号機だけだそうです。
実は、零戦開発前史的な話をかじったとき、七試単戦(正式には七試艦上戦闘機というらしい)という機種が気になっていたのです。
その方面はそれほど積極的に取り組む分野でもないので、そのうちに機会があれば……と思って放置していましたが。九試単戦の試作1号機といえば、七試単戦と連続した位置づけにある存在です。
つまり、私が直感的に引っ掛かっていた部分と近い部分に、宮崎さんも何か引っ掛かったようなのですよね。
これはちょっと面白いところです。
(それにしても、前に何かの本で囓った七試単戦のイメージと、ここで解説される七試単戦のイメージの落差が大きいことも興味深いです)
2009/01/03 1:28頃追記。以上の経緯は全て勘違い。私が気になったのは七試単戦ではなく九試単戦だったことを確認。名前を記憶違いしていました。なので、私が気になった機種と宮崎駿が取り上げようとしている機種は完全に同じです。
余談 §
年末年始になって、私宛にメッセージが送られてくる頻度が増えてます。他の話題も順次扱っていきますので、しばしお待ちを。
あともう1つ。アイマスには何の興味もないので、アイマスのキャラクターグッズとしてのアイマス機には全く興味もないし、必然的に評価もできません。念のため。