2009年01月05日
トーノZEROアニメ雑記total 2743 count

イナズマイレブンは夢破れた大人が新しい世代に夢を託すリターンマッチであるか?

Written By: トーノZERO連絡先

 TVアニメ・イナズマイレブンの2008年1月4日放送第14話「伝説のイレブン!」を見て思いましたが、これは「夢破れた大人が新しい世代に夢を託し」かつ「新しい世代の情熱によって、自分たちの夢や情熱を思い出させてもらう」作品ではないかと思いました。

 これは第9話「目金、立つ!」が実質的「汚い行為を平然と行うぬるい存在に堕落したオタク」に対する痛烈な告発と、「現役オタクではなく、オタク予備軍というべき子供世代に対して、あのような汚いオタクになるな。良きオタクらしいオタクになれ」と訴えかける内容と表裏一体の関係にあるのかもしれません。

 つまり、アニメやゲームの文化に夢と情熱を捧げた世代は、後続する世代が夢も情熱も継承しないばかりか汚い手段で著作物を泥棒することに何の屈託もないことに挫折し、夢と情熱を失いかけた……という状況があるのでしょう。しかし、もっと下のより若い未成熟な世代に語りかけ、彼らの夢や情熱を逆に受け取ることで、彼ら自身の夢や情熱も復活しつつある……ということかもしれません。

大人が本当に子供に語りたいこと §

 第14話「伝説のイレブン!」が本当に素晴らしいのは、そこで「大人が本当に子供に語りたいこと」が2回も語られたことでしょう。ここでいう大人とは、社会の中で立場があり、子供に責任を持って語りかけねばならない立場に立つ者をいいます。単に18歳以上という意味ではありません。

 さてこの2回とは、以下の2つです。

 1つは鬼道親子の会話です。鬼道は自分が万能ではないことを痛感して一皮むけて大人になります。それを理解した鬼道父はそのことを喜び、そして自分がそのための配慮をしてやれなかったことを悔やみます。

 もう1つはイナズマイレブンOBがベンチの影野に語りかけるところです。ベンチにいる補欠で、必殺技とも関係ないから何もしなくていい、という諦めの気持ちが誤りであることを語りかけます。これもまた、「大人が本当に子供に語りたいこと」の1つでしょう。フィールドを走ることだけが「価値」ではありません。日の当たらない立場であっても、個々の立場をきちんとこなすことがいかに重要であるか。それは、「その重要性を痛感した大人であればあるほど語りたい」にも関わらず、語ることも、語ってそれを伝えることも難しい内容です。

感想 §

 イナズマイレブンは本物の「非幼児向けアニメ」かもしれません。

 もちろんそれは、今時のオタク向けアニメの多くは「身体だけ大きくなった精神の幼児向けアニメ」かもしれない、という「疑い」の対極に位置する評価です。

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