写真 §
京王電車回顧十五年 (大正期鉄道史資料 第2集 第11巻 京王電車回顧十五年/武蔵野鉄道開設由来/志摩電鉄秘史/西美鉄道会社の顚末)に収録された写真。(コピーを更にデジカメ撮影なので、画質は良くないが)
文字資料 §
京王電気軌道時代の1930年秋に発行された沿線案内の沿線名所図絵によると、下高井戸から北14丁の大宮八幡宮と並んで、北3丁に吉田園が記述されているようです。
距離推定 §
1丁の距離がどの程度か明確ではないので、実寸の比率から割り出します。下高井戸駅から大宮八幡までは直線距離で1.8~1.9km程度。ここから逆算して下高井戸駅から吉田園までの距離は0.4km程度となります。
暫定的な考察 §
- 「北」ということは、少なくとも京王電気軌道の線路以北と思われる。これは現在の京王線の線路と大筋で同じ
- 0.4km程度であれば、神田川を渡ることはあり得ない
- 逆に、甲州街道以南も考えにくい
- 写真は周囲に木が植えられた2階建ての建物に見えるが、背景が白く、この施設の背後には木や建物が存在しないか、あるいは地面がそこで急に下がっている可能性を示唆する
ここで、以下の条件を満たす場所を探ってみます。
- 甲州街道より北
- 神田川より南
- 下高井戸駅から遠くない
- 背後に建物や木が全くない or 背後が急に下がっている崖地の上
「背後に建物や木が全くない」という状況は少し考えにくいような気がします。農家も防風林を家の周りに植えたりしますので。「背後が急に下がっている崖地の上」なら、現在でも見かけるのでリアリティがあります。背後に建物があるのに何もなく空がスカッと見える場所が実際にあります。そこで、そのような場所の候補を探ると、多くは江戸時代からの寺が使っていることが分かります。今のところ、現・大慈会教団本部のあたりが候補になるかな……と思いますが、具体的な根拠は何もありません。
感想 §
鉄道の沿線の名所として名前が出るにも関わらず、下高井戸で生まれ育った私にもさっぱり分かりません。ミステリアス!