25巻でハッとさせられたのは、のどかが発動する魔法の表現が、よくある「日本語+異言語(ラテン語等)」という二重表現ではなく、
という文語の表現に
という口語のルビが振ってある点です。
つまり、どちらも日本語です。
ここで、文語は違和感のある異言語の一種として認識されますが、意味の分かる表現でもあります。このさじ加減がムードを盛り上げます。
しかし、話はこれで終わりません。
というのは、口語表現の「アナタノオナマエ ナンデスカ」をカタカナで表記することによって、実はこれが文語世界から見た異言語世界として表現され、この口語の言葉こそが本来ありえない「呪文」として機能するからです。
つまり、ここには裏返しの二重構造があります。相互補完的に、互いの非日常感を盛り上げる機能性を持っています。
ラテン語、梵語から祝詞まで書いてきたネギま!が更に日本語だけでこれだけ盛り上げる表現に到達したのは、やはり凄いことだと思います。