和田堀給水所は水道道路である井の頭通りが北西から南東に向かって接続されています。道路は和田堀給水所を迂回していますが、地下の水道管が和田堀給水所を経由しているのは当然予測される状況です。この点に謎はありません。
しかし、駒沢線の鉄塔を見に行ったときに、和田堀給水所から南東に向かう道の他に、北東に向かう道があることに気付きました。
以下の地図のA点からB点に向かう道です。
解釈の多様性 §
この道は、中央に植物の多い分離帯のようなものがあり、明らかに道路としては不自然です。また、以下の点からも普通の道ではないことが推測されます。
- 直線であること
- 古地図を見ると和田堀給水所が設置される前には存在しないこと
- 玉川上水に向かって伸びていること
しかし、最後の点は明確ではありません。というのは、玉川上水を交差した先に、ほぼ直線の道路が更に続くからです。
そこで、考えられる解釈は以下の通りです。
- 玉川上水より和田堀給水所に水を入れる導水路である
- 和田堀給水所の余剰の水を玉川上水に流す排水路である
- 玉川上水とは関係ない地下の上水管であり、玉川上水を超えて東へ続く
加瀬竜哉さんは1番の解釈のようですが、根拠は明示していません。
この3案を検討してみます。
第1案は、玉川上水の水はそもそも正規の井の頭通り沿いの経路で受け取っているので、今さらこれほど下流から取り込む必然性が見いだせません。しかも、接続点は和田堀給水所の出口近くです。
第2案は、道路の向きが玉川上水の下流ではなく上流に向けて流すように接続しているように見えて不自然です。
第3案は、軽く調べた範囲内でそのような上水道に言及しているものが無く、不安です。言及されている和田堀給水所から供給される水の経路は、井の頭通りばかりです。
実際に行ってみた §
過去のことは分かりませんが、少なくとも今現在の状況は明らかになりました。
ゆずり橋と並んで太い管が西岸から東岸に設置されています。逆に、玉川上水と水をやり取りする取水口等は一切見あたりませんでした。
結論としては第3案で正しそうです。
感想 §
玉川上水のこの区間が開渠として残っていて良かった!
暗渠化されていたら、答が出せなかったところですよ!