2009年06月18日
トーノZEROアニメ感想ポケットモンスター total 2441 count

ゲーマーによるサトシ批判が投影されたバトルなのか・シンジ対サトシのフルバトル!!

Written By: トーノZERO連絡先

 トーノZEROのアニメ感想です。

 今日のポケモンDPの感想。

サブタイトル §

「フルバトル!シンジVSサトシ!!-後編-」

あらすじ §

 シンジとサトシのフルバトルは続きます。

 サトシの判断ミスもあって、残りポケモンはサトシ残り1体、シンジ残り5体と大差を付けられます。そこで、最後に残ったヒコザルがモウカザルに進化します。

 モウカザルは勢いに乗ってシンジのポケモン達を倒していきますが途中で倒れ、シンジの勝利に終わります。

感想 §

 実は今回の内容を見る前に、ふと思いつきました。前編を見る限り、シンジのバトルは優れたゲーマーによるゲームとしてのポケモン攻略の戦い方そのもののように見えます。いや、それが事実であるかはゲームとしてのポケモンをやったことがない私には分かりませんが。しかし、そういうバトルのように見えました。

 そして、昔からサトシのバトルはそのようなゲーマーから批判の対象であったという話しも聞きます。バトルの攻略としては稚拙すぎるというのです。

 そのような前提で考えたとき、このシンジ対サトシのバトルは、実はゲーマーの緻密な攻略とサトシの気持ち優先の戦い方の対決であり、両者を比較すれば必然的にサトシは負けるしかありません。そう……。今回のバトルはサトシの敗北で終わるしかあり得ないと気づいたわけです。

 そして、実際に見ていると驚いたことにこの予想は完全に実現されてしまいました。小さな判断ミスの積み重ね、というよりもサトシの大ざっぱな勢いと感情に任せた戦い方が、大差でサトシを追い込んでいきます。最後には奇跡的な逆転としてモウカザルへの進化が起こりますが、その程度で勝敗は覆せませんでした。それほどの大差を付けられていたことになります。

更に感想 §

 レイジは、このバトルの意図をようやく明快に語ります。ポケモンとトレーナーにも相性があり、それは強さとは別の問題です。ヒコザルはシンジとの相性は悪かったが、サトシとの相性は良かったわけです。そして、異なるスタイルが激突すればポケモンもトレーナーも強くなると彼は述べます。

 しかし、どうも物事はレイジの思惑通りには進んでいないような気もします。というのは、シンジはサトシへの勝利によってある種のコンプレックスを解消してしまい、勝利を求めねばならない動機付けを失ってしまったようにも見えるからです。それに対して、サトシは敗北に強い悔しさを示します。口の僅かな動きだけで押し殺した感情を描くという見事な演出です。

 おそらく、次の大会で、シンジはサトシに敗北する運命にあるような気がします。この逆境をサトシが乗り越えられれば、そのサトシをシンジはもはや止められないのではないか、という気がします。

 もう1つ、今回のサトシはやはり冷静さを欠いていた感があります。本来のサトシの強さが出たというよりも、初期の大ざっぱなバトルが復活したような感があります。それは、スタイルの対決という構図にこだわりすぎ、過剰に「自分らしさ」を出し過ぎたのかもしれません。それは、サトシがシンジを相手にしたときは平静でいられないということかもしれません。そして、おそらくサトシはそれが自分でも分かるのでしょう。だから、とても悔しいという気持ちを持たねばなりません。シンジに対して次は勝つ、という宣言をすることもできません。勝つべき相手は自分だからです。

今回の一言 §

 今回のサトシの敗北は、サトシの未熟さや幼さに原因があると言えますが、それは大人になれば克服できると言うわけでもありません。過剰に相手を意識しすぎれば、どれほどの年齢に達した大人であっても、判断を誤ることは珍しくありません。しかし、自ら下した誤った判断を乗り越えていかねばならないのも事実。まさに次回はそういう内容が描かれるようで、楽しみですね。