これは、住宅地図探索の話題の続きです。
住宅地図の問題は行き詰まっており、これはもう国会図書館に行くしかないのか……と思っていました。
しかし、1つの価値ある文書の発見と、2つのミスの発見によって局面が大きく変化しました。
その文書とは千代田区立千代田図書館サービス部作成の明治以降の住宅地図の調べ方というものです。これはそのものズバリ、住宅地図の調べ方を詳しく説明したものです。千代田区について述べたものですが、千代田区以外にも容易に応用可能です。古いものは、火災保険特殊地図や、地籍地図といったものを探さねばならない、という指摘は大変に貴重でした。
さて、発見された2つのミスとは以下の2つです。
- 「住宅地図」で検索しても「東京都全住宅案内図帳」や「全住宅案内地図帳」のような書名はヒットしない可能性がある (この名前に住宅地図という文字は含まれていない)
- 無意識的に古い地図を求めて検索時の出版年を1969以前としていた。一方、火災保険特殊地図や地籍地図は復刻版として後から出版されていて、それが図書館に所蔵されているが、それらの出版年は1980年代以降が多い (つまり、全て検索対象から漏れていた)
というわけで、あらためて検索してみると都立中央図書館にもいろいろあることを発見。
以下の3点を見に行きました。
- 東京都全住宅案内図帳 住宅協会∥編 出版年不明 杉並区
- 地籍台帳・地籍地図「東京」巻次等 第7巻 地図編 3
- 火災保険特殊地図旧35区 杉並区 上/下 都市整図社
結論から言えば完全に空振りでした。
地籍台帳・地籍地図「東京」巻次等 第7巻 地図編 3 §
まず開架にあったこれから。
事前のネット上の調査で、下高井戸はこの時点の「東京」に含まれていないものの、豊多摩郡はこの巻に含まれているらしいことが判明したのでチェック。しかし、新宿あたりは含まれているものの、下高井戸までは含まれていないことが分かりました。つまり、豊多摩郡全体が含まれているわけではなかったようです。
スカッと空振り1回。
東京都全住宅案内図帳 住宅協会∥編 出版年不明 杉並区 §
なんとマイクロフィルムでした。
出版年不明なので、いつのものかは不詳です。
しかし、既に見た「全住宅案内地図帳 杉並区版 昭和44年度版」とは全く別物でした。河川水路などはある程度書き込まれていますが、縮尺もおそらく不定で、向きも上が北とは限らず、細かい水路も書き込まれておらず、養魚場のような施設も書き込まれておらず、出版年不明と合わせてほとんど使えないという結論に。
(ただし、我が家の旧居に我が家の名字が書かれていることは確認。もちろん私が生まれる前の状況)
スカッと空振り2回。
火災保険特殊地図旧35区 杉並区 上/下 都市整図社 §
上と下の2冊があるので、この2冊で杉並区全体をカバーすると思うではありませんか。しかし、いくら上と下を取り替えながら中を見ても下高井戸は出てきません。よくよく調べてみると、実は上下2冊で杉並区のおおむね北半分をカバーしているだけでした。つまり、下高井戸はこの上下に含まれず。
スカッと空振り3回。
オマケ・東京生命七十年史 §
ついでなので、東京生命球場関係の情報を求め、東京生命七十年史も見てみました。
しかし、福利厚生施設関係の話題は全く見あたらず。見落としの可能性もありますが、会社の歴史というよりは、会社のビジネスの歴史という感じがメインの社史でした。
スカッと空振り4回。
感想 §
いやー。ここまで空振りが続くとかえって気持ちが良いぐらいです。
今日は時間もないので、ここで終わりです。