クロスゲームを見て思う・「おお振り」は野球アニメのルールを変えてしまったかの続きです。ここでは「おおきく振りかぶって」「クロスゲーム」と続いて野球アニメのルールが変わってしまったのではないか、という話を書きました。つまり、過去の野球アニメにおいて野球をすることが当たり前の行為であったのに対して、野球をすることが当たり前ではない前提で作られることが、今時の野球アニメのルールになったのではないか、と考えたわけです。
少なくとも、その考えはクロスゲームでは当たっているように思えます。毎週楽しく見ています。
しかし、それだけではなく新番組の大正野球娘もやはり同じルールで作られているように思えます。そもそも野球が何かすら分かっていない少女達が野球を始める、という作品はまさに「野球をすることが当たり前ではない前提」そのものです。
※ 自分で書いたトレンド予想通りの作品が出てきて、けっこう四苦八苦。
それだけではなく §
大正野球娘という作品は、実はそれなりの教養がないと理解できません。その点で、知識や経験の乏しい者達にフォーカスした一般の「萌えアニメ」とは似て非なる路線に思えます。もちろん、単に可愛い女の子が交流するアニメとして見てしまうことはできますが、そうするとかなり意味不明の描写が残るはずです。たとえば、ドン(正午を知らせる大砲)を聞いてからベルを鳴らす用務員のような、さりげない描写が歴史ミーハー心をくすぐるわけですね。
また、大正時期の野球関係は詳しくないので確実ではありませんが、慶応の野球部を見学できずに早稲田の野球部を見学に行って野蛮さにショックを受けるのは、運悪くバンカラな早稲田の野球部を見に行く不運という描写かもしれません。
いずれにしても女学生と野球の距離感といったあたりが、微妙に上手く大正っぽい感じでなかなか面白いですね。
この先も面白いかは分かりませんが、少なくとも最初の2回は面白いと思いました。