最近、松村静吾さんという方と知り合いました。いわゆるドボク系の方です。ガソリンスタンドの建物の写真を撮影してガソリンスタンド・ノート|ガソリンスタンド建築写真というサイトを運営されている方です。
さて、当初ガソリンスタンドという趣味は理解できませんでした。しかし、突然もしかしたら面白いかもしれないと気付きました。
そこから、下高井戸周辺のガソリンスタンドについて考えている時に、突然興味深いことに気付きました。
今まで見過ごしてきましたが、以下のガソリンスタンドは極めて特異的なのです。
なぜここが特異的なのか?
それは、この場所がまさに甲州街道北岸に沿って流れていた玉川上水が南岸に変わる橋のあった場所、つまり代田橋そのものです。このガソリンスタンドは玉川上水跡地に沿って存在しています。
それだけではありません。それと交差する形で、やや東側の上空を東電の高圧送電線「駒沢線」が通過しています。
つまり「道路」「水路跡」「送電線」「ガソリンスタンド」というドボク系アイテムが1点の集約されている特異的な場所ということになるのです。
更に見てみると §
甲州街道上北沢駅入り口交差点南側のガソリンスタンドは、玉川上水が最も甲州街道に接近する位置にあり、甲州街道を挟んでいるとはいえ、水路跡に近い場所です。
今はパチンコ屋になってしまったプラザローヤル5前のガソリンスタンドは、玉川上水と甲州街道に挟まれたロケーションで、やはり玉川上水に近い位置です。
甲州街道の桜上水、下高井戸間の南側にはエネオスと出光の2つのガソリンスタンドがあります。このうち、エネオスの方は昔からここで、特に玉川上水に近い特徴は見いだせません。しかし、出光の方は昭和44年の住宅地図を見るとかつては下高井戸交差点東方の玉川上水と甲州街道に挟まれた狭い土地にあったらしいことが分かります。(甲州街道の拡幅で移転を強要されたと推定)
明大前の中央三井信託銀行の手前側にあったと記憶するガソリンスタンド(現存しない)は、中央三井信託銀行の建物裏手がまさに玉川上水であり、これもまた玉川上水と甲州街道に挟まれたガソリンスタンドであった可能性があります。
なぜこれほど水路とガソリンスタンドが絡むのか? §
軽く検索してみると以下のようなページが見つかりました。
つまり、変電所が水路跡に隣接する理由として到達した「アース」という仮説が、ここにも適用できそうです。ガソリンと言えば、静電気のスパークが飛んで引火、爆発ということもあり得るのでしょう。とすれば、アースは重要な問題です。接地抵抗を下げられる湿った土地(水路近く)は、意図的に選ぶ価値がある土地なのでしょう。逆に、変電所の立地と同じく、「水そのものを資源として使ったり」「排水を流す」という目的ではないので、上水に沿った場所に作ることも可能だとも考えられます。
結論 §
(特に古い)ガソリンスタンドの周辺には、河川水路や水路跡が存在する可能性がある、と言えるのかもしれません。
感想 §
うーむ。まさか、ガソリンスタンドまで水路跡の話題と絡んでくるとは思ってもいませんでした。
ちなみに、今日は代田橋のガソリンスタンドの現地を見てきました。行って周囲を見渡すとさっそく駒沢線の鉄塔が見えたのにはびっくり。