2009年09月02日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 5896 count

永福橋のファミリーマートの手前に広すぎる空間がある理由・都市計画道路 補助128号線で解釈

Written By: 川俣 晶連絡先

 「下高井戸にあった京王ストアの意外な位置」で取り上げた昭和44年の住宅地図に書かれていた計画道路「補助128号線」ですが、計画は今でも存在し、実際に建設中であるようです。

 より


powered by 地図Z

 このラインを見ると、完成すればかなり役立ちそうです。便利なのに北に行っても南に行っても行き詰まってしまう永福通りの使い勝手がかなり改善しそうです。特に、永福通りを南下した車が、下高井戸交差点で行き詰まってどこにも行けない……(商店街の狭い道に迷い込んでくる)という問題を明確に解決してくれそうです。

 しかし、問題もいろいろあります。

  • 京王線と交差する部分は既にホーム延長されて踏切が作れない。道路は地下をアンダークロスさせるとしても、京王線も地下化となったら困ったことになる。逆に京王線が高架になれば地上に道路を造るだけでよいが現状では不明瞭
  • 京王線の南部から松原のオオゼキの裏手まで、住宅地を貫いて道路を造るようだが、今時のこのあたりの土地はかなり高く付きそうで、とんでもない金が掛かるのではないか?

 ですが、おそらくいずれこの道路は作られるのでしょう。桜木中学校をトンネルでアンダークロスする工事までやっているそうなので、これらの問題はいずれ解決して道路を造るのでしょう。

2009/09/03追記 §

 Alice堂さんより以下のメッセージを頂きました。

 補助128号線の話,興味深く拝見しました。この記事の中に、桜木中学校の名前が出てきますが,何を隠そう,私は桜木中学校の卒業生です。

 もう30年以上前,確か入学式のときに,校長先生だったかPTA会長だったかよく覚えていないのですが,その式の挨拶の中で,「この学校の真ん中を道路が通る計画があり,新校舎の地下は,道路が通るような構造になっている」と聞いた事を覚えています。それが補助128号線だったのですね。

 つまり、30年以上前の段階から、補助128号線を中学の地下に通す計画が存在し、準備が行われていたわけですね。数十年規模で着々と建設が進んでいる道路計画です。

永福橋のファミリーマートの手前に広すぎる空間 §

 さてここからが本題です。

 永福通りと神田川が交わる点にある永福橋の南東側にはファミリーマートがあります。しかし、このファミリーマートはコンビニにしては手前に広い空間がありすぎます。駐車スペースと考えても、やはり過剰に広いのです。

 しかし、上記の地図のラインを見て納得しました。

 つまり、補助128号線はこの点より現在の永福通りを離れて独自の経路を辿り始めますが、その独自経路の分の空間を確保した上で建物の位置が決定されていると考えると筋が通るのです。

 更に、航空写真モードで見て気づきましたが、永福南小学校の西側の境界ライン(隣の公園との境界ライン)は、補助128号線の計画ラインと平行です。永福南小学校は校庭の形が不自然に見えますが、少なくとも西側のラインは補助128号線によって説明ができます。

 あとは、墓地と永福栖岸院、若干の住宅、永泉寺緑地を抜けて甲州街道に達します。すぐ近くに首都高永福インター下の施設がありますが、補助128号線のラインとは当たりません。

 気になるのは、新築の建て売り住宅と思われる「若干の住宅」ですが、これはどうなのでしょうね。

感想 §

 下高井戸周辺の永福通りの改善については過去にも類似の改善案があったと思いますが、それとは別のものだろうと思います。しかも、こちらは生きています。上手く行くのか行かないのか分かりませんが、まだまだ劇的な景観の変化の余地があると分かるのはワクワクしますね。(立ち退く側はそれは大変だと思いますが)

下高井戸周辺史雑記