2009年10月05日
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工場~ジャンクション・遊戯王5D'sはドボク系のファッションをまとっているか?

Written By: トーノZERO連絡先

 遊戯王5D'sのオープニングやエンディングには、しばしば従来の遊戯王シリーズには見られない「都市的なビジュアルモチーフ」を見ることができて、ドキドキさせられます。

 さて、最近ドボク系と呼ばれる人たちとの付き合いができてきましたが、実はこの「ドボク系」というキーワードで遊戯王5D'sのファッション性が解釈できることに気づきました。ドボク系は「土木系」ではなくカタカナで「ドボク」と書きます。彼らは、それぞれ違った趣味を持っていますが、工場やジャンクションや水門や鉄塔やエスカレーターやガソリンスタンドを趣味として愛好する人の集まりです。

第3期5D'sのOPはジャンクションで始まる §

 このオープニングを見て絶句するのは、まさにジャンクションからスタートする点です。ジャンクションが魅力的なものとして語られたのはせいぜい昭和40年代までで、それ以降は公害の元、迷惑な存在として語られていたような気がします。しかし、ジャンクションの魅力が消えて無くなったわけではありません。実は、そのような魅力は最近になって再び語られるようになって来ています。その先鋒となるのが、ドボク系の思想的なリーダー格となる住宅都市整理公団総裁の大山顕さんです。大山顕さんは、「工場萌え」でデビューしていますが、ジャンクション好きも公言しています。

 しかし、ジャンクションは再びエンディングにも出現します。冒頭はシンボライズされたジャンクションからスタートします。

第3期5D'sのEDはビル街のファッションもまとう §

 しかし、ここで注目すべき点は、ジャンクションに続いて、摩天楼の夜景、多角形のビルの吹き抜け(しかも渡り廊下付き)、重なり合ったビル群、ビル内の高い窓と螺旋階段等々、ドボク系ないしそれに隣接するファッションを繰り返し提示します。(そういう意味では、OPのビルの間を走る懸垂式モノレール?等もそれに類する)

 つまり、5D'sはかなり意識的にドボク系のファッションをまとっていると考えて良いような気がします。

 とすれば、第1期EDの背景の工場も素直に解釈できます。

第1期EDの背景の工場 §

 イントロの部分、不動遊星の背景に見える工場施設らしいシルエットは、まさにドボク系の基本中の基本である「工場」をモチーフにしたと考えられます。

 また、第2期でストーリーのバックグラウンドになったのは「サテライトとシティを結ぶ橋の建設」ですが、「橋」もドボク系の愛好するアイテムの1つと言えます。

 第3期も、レースというモチーフが基本ラインとして出てきているにも関わらず、サーキットの描写は全く出てきません。出てくるのは変形するハイウェイとジャンクションです。浮上して接続される路面や、せり出してデュエル専用レーンであることを示すサインなど、明らかにレースはレースでも、既存のサーキットものや、公道レースものとは一線を画するファッション性を示そうとしているように見えます。

 やはり、5D'sはスタッフからドボク系が意識されているのではないか、と思えます。

感想 §

 遊戯王GXで遊城十代が使ったネオスペーシアンは、ある意味で大自然の力そのものを代表しているようにも見えます。独立した人格を持った別個の生き物が、遊城十代に力を貸しているように見えます。

 それに対して、不動遊星が使うジャンク・シンクロンに代表されるジャンク系カードは、あくまで人工物の匂いがします。人が努力して作り上げたものであり、それは人の世界の中に完結して存在します。

 この違いを表現するために意識的に選択されたファッションがドボク系である、という解釈もできるかもしれません。

余談 §

 この記事は、tamura38さんがドボク系PVを作成しているのを知って、ちょっと書いてみました。tamura38さんに何かの参考になるかは分かりませんが。

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