「杉並の川と橋 杉並郷土博物館研究紀要別冊」は正座して読み直さねばならい本です。
中でも目から鱗が落ちたのは以下の記述です。
美宿橋の「美」は大字「下高井戸」の小名「蛇場美」の「美」であり、同じく大字「下高井戸」の小名「宿」とを結ぶ道に架けられていた事からこの橋名になったのであろう。
「宿」は何となくイメージできましたが、「美」までは分かりませんでした。しかし、「蛇場美」と言われると納得します。確かにここを渡ると急に左に曲がって「蛇場美」方面です。右に曲がる道は(たぶん)比較的新しいものです。荒玉水道&玉橋もない時代、まさに「蛇場美」と「宿」を結ぶ橋はこれだったのでしょう。
ついでに「蛇場美」の名前のうち、頭ではなくしっぽを取った理由もよく分かります。誰しも「蛇」よりは「美」を使いたいでしょう。
とすれば「美宿橋」という名称は必然です。
感想 §
知れば知るほど、自分が知らないことを思い知らされて落ち込むことはあります。
いや本当に。
何せ、どこか遠い橋の話ならともかく「美宿橋」の話であり、他にもいろいろあります。まして、「蛇場美」が小字名であったことも知っていましたが、「美宿橋」とまでは関連して考えられませんでした。