「アルフォン少尉」
「なんだい、雪」
「その……、やはりアルフォンというぐらいだから、夜の生活用のアレが股間にアルのですね?」
「うん。素晴らしい雪との生活のために、新型のアップグレードを注文してある」
「新型って、まさか!」
「そうだ。私の身体は機械なのだよ。首から下はね」
「ということは、アルフォン少尉の下半身は高級バイブなのですね!」
「なんか嫌な言い方だな。しかし、その通り。君をがっかりさせることはないよ」
「でも……。これじゃ赤ちゃんは無理ですね」
「ははは。何を言ってるんだ。キスができれば赤ちゃんはコウノトリが運んできてくれるんだろう? そのために、わざわざ首から上は生身で残したんだ」
「え?……」
ちなみにアップグレードはいつまで待っても届かなかった。中間補給基地でヤマトに破壊されてしまったからである。
かくして森雪の貞操は守られたのであった。
ちゃんちゃん。
オマケ §
「アルフォン少尉」
「なんだい、雪」
「暗黒星団帝国の人は、生身の身体が欲しいそうですけど、誰が誰の身体を取るのか決まっていますか?」
「それはまだだ。レジスタンスの活動がうるさくて、それどころではないのだ」
「それでは、いずれ私の身体も、暗黒星団の誰かに使われてしまうのですね」
「それはそれで嫌なのだけどね。考えても見たまえ。雪の身体をおっさんが使ったりしたら幻滅ではないかい?」
「そ、そうですね……」
「雪の身体を使うなら、この美形の私しかいないと思っているよ」
「え!?」
「かといって、自分で使っては抱けないし。しかし、他人の身体にしてしまうのも惜しいし。そこで悩んでいるのだ」
「じゃ、一晩中そこでいつまでも悩んでいてください。私は一人で寝ますから」
かくして森雪の貞操は守られたのであった。
ちゃんちゃん。
オマケ2 §
「アルフォン少尉」
「なんだい、雪」
「前から疑問に思っていたのですけど。暗黒星団帝国の男女ってどうやって区別しているのですか? 機械の身体に生殖機能でも?」
「ははは。雪は心配性だなあ」
「いえ、単にいろいろ暗黒星団人の秘密を聞き出したいだけですけど」
「……。と、ともかくだな。暗黒星団帝国はみんな機械の身体になったとき、ほとんどは便宜上、男という分類にしてあるんだ。区別に意味はないからね」
「ということは、アルフォン少尉も?」
「性転換して男扱いされるようになって、やっと軍隊に入ったからまだ少尉さ」
「それじゃまさか……」
「君に惚れ込んだから助けたのは事実だが、その身体が良かったからさ。それをもらって女に戻りたいと思う。さあ、その身体を渡せ! スカルダート様の隣でお酌をするのはサーダじゃなくて、私の仕事だ!」
「ひぃ~~~~。ぱっ。あ、夢だったのね。ホッ」
夢オチでホッとした雪であったが、一部のファンの間ではアルフォン少尉は雪の身体を狙う性転換願望者らしいぞ。頑張れ雪、古代が「おじさま」と迫る姪の誘惑を振り切って帰還するまであと僅かだ!
オマケ3 §
「雪、君の趣味は調べさせてもらった」
「えっ……」
「君はこれが好きなんだろう? ヤマトでは艦長の前で自分でやったそうじゃないか」
「す、スカートめくり」
「ははは。毎日でもめくってあげよう!」
「そ、その後は?」
「午後8時就寝でそのあとはぐっすりさ」
「よ、幼稚すぎる……」
かくして森雪の貞操は守られたのであったが、身を挺して情報を探ろうと覚悟を決めた雪には肩すかしであった。
ちゃんちゃん。
どこまで続くのだ、アルフォン話。真面目なヤマトの話の膨大な未公開ストック原稿が泣くぞ! ヤマト場外乱闘の歴史的な分析はどこへ行った!