29巻・続・苦悩あるところに魂が宿るのならば

　ふっふっふ。

　嬉しいですよ。

ID: 20100219183830

Subject: 29巻・苦悩あるところに魂が宿るのならば

Keyword: 【▲→川俣晶の縁側→過去形 本の虫→ネギま!を読む】

URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20100219183830

名前: Iuth

本文:

野暮なツッコミですが、「表」と論理的に同値なのは裏ではなく対偶なので、

魂の宿らない者に意志はなく

意志なき所に物語はなく

物語なき所には苦悩もない

でないと「ネギの言った事」にはならんです。

　はい。こういう突っ込みは予想外ですが、大変嬉しく思います。

　「野暮」ということは、こちらの趣旨を分かった上での突っ込みですね。

　2009年のネギま!界最大の事件は、トサカの持っていた本を具体的に突き止められたことだと思っている私からすれば、「どのキャラが好きか」といった領域の先にある話ができることは大変に嬉しいですね。では、それを受け止める人がいるということは、もうちょっとだけ私も先に進んで良いわけですね?

言葉遊びのレイヤーという問題 §

　まず以下のネギの台詞があるわけです。

苦悩あるところに物語があり

物語あるところに意志がある

・・そして意志がある物には魂が宿る

　これを以下のように私が書き換えているわけですが。

苦悩が無いところに物語は無く

物語が無いところに意志は無く

・・そして意志が無い物には魂が宿らない

　このような書き換えは「言葉遊びのレイヤー」で処理していますから、基本的に肯定文を否定文置き換える置換を行っています。

　しかし、この書き換えは論理的に正しくありません。

　このような書き換えを行った理由はありますが、文章に仕込んだ「表現された意図」とは違う意図と直結するので解説は行いません。

　(「あんた、事件には関与していないんだね?」と表面的な言葉を超えて真相に進む人だけが読めます)

論理的にいえば §

　数学的に言えば、AイコールBは、BイコールAと置き換えられると思います。AとBは交換可能です。

　しかし、AならばBである、という命題があったと、BならばAであるとは言えません。

　たとえば「マックスコーヒーは120円である」といったときに、「120円はマックスコーヒーである」とは言えません。BOSSも120円であり、マックスコーヒーの値段とは言い切れないからです。

　同様に、単純に肯定文を否定文に書き換えるだけでは、正しい書き換えにはなりません。つまり、論理の話をすれば、上記の突っ込みのような話になります。

余談 §

　ちなみに、これはありえないトンデモ理論を説得するための典型的なトリックの1つになります。

　たとえば、「A社の製品には欠陥がある」という主張があったとします。これを倒置すると「欠陥があるのはA社の製品である」となり、B社の製品に欠陥は無いかのように思えます。しかし、本来はB社には一切言及していないから分からないわけですね。

もっと余談 §

　更にこの話を延長していくと、「論理的な正しさ」はあり得ないという話に行き着いて、「泥にまみれてなお前に進め」という話につながっていくわけですが、ここでも同じです。

　しかし、「絶対的な正しさの不在」を是としたとき、「ならば私の主張も多くの主張の1つとして尊重されるべきである」という主張があり得ますが、これは間違いです。なぜなら、「絶対的な正しさの不在」を是としても、やはり「ほぼ確実に間違っていること」はあるからです。全ての主張が公平であり、誰の意見も平等に扱われる権利がある、というわけではありません。

　従って、きちんと勉強して語ろうという者を拒絶する気は全くありませんが、2000年以上も前の賢人がとっくに発見して教科書にも乗っているような話を改めて発見して偉そうに得意げに語るような「賢いつもりの僕」が尊重されるかは分かりません。

注意点 §

　以上はいい加減に書き飛ばしただけだから、けして信じてはいかんぞ。詳しく知りたい人は教科書で正しい知識を身につけてください。