いやー、映画って本当にいいものですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
……ではなくて。
本当に幸せな気分で劇場を出られる映画って良いですね。
見に来てよかった! と本当に思える映画は良いですね。
今回の映画は §
基本的に新規の客ではなく、ケロロ軍曹を知っている人向けになっている気がしますが、実は骨格がしっかりと映画になっているので結構見られる気がしますね。ファンサービスのムービーに堕落はしていません。
特に、最初に内緒で2人で出かけるシーンのワクワク感は見事ですね。
こういう話は、通常ケロロ視点で進行することが多いように思いますが、冬樹視点で進行するところが見事。何ら特殊な能力を持たず、パワードスーツすら装着しない普通の少年がせいぜい飛行する翼を背中に付けるぐらいで一貫して主役をやってくれます。そこが凄く良心的で良いところですね。
だから感情移入できて、冒険ができます。
更に言えば、ほとんどのシーンで実は人間は冬樹だけということで、不思議な世界の冒険そのものを楽しめます。
ついでに、5人でも多すぎるということは既に指摘していることですが、ケロロ小隊5人は「1人は影が薄い」という設定で過剰な感じを上手く回避した上で、この映画はまずケロロと冬樹の2人だけで話を始めてしまいます。しかも、すぐに全員の影が薄くなり、脇役に徹してくれます。よくできています。
で、ネタなわけだけど §
「翻訳こんにゃ○」が出そうなシーンで、それをもじったアイテムが出るかと思ったら、まさに「翻訳こんにゃ○」が出そうになってびっくり。途中まで本当に出そうな勢い。
V作戦 §
消火メカですが、ガ○ダム、ガ○キャノン、ガ○タンクそのもの。運んでくるときは、ガンペリーもどき(TB2モドキとは別)で、パイロットは連邦軍制服だが生足のモアちゃん。降下して3台が着地するカットはファーストガンダムのOPそのもの。
サンダーバード秘密基地 §
ケロロの夢想はサンダーバード秘密基地そのものですね。もともとケロロ小隊の輸送機は2号もどきだし。
拡散波動砲 §
アンドロメダ・インパクトは本当にあっけに取れました。最初はタママの技なのになぜアンドロメダというのか分かりませんでしたが、つまり「アンドロメダ・インパクト」は「拡散波動砲」ということなのですね。そこまで踏み込んでくる客のためのサービスということでしょう。
追記・軍人将棋 §
623とクルルがやっていたゲームはもしかして軍人将棋と思ったらそのようです。
フェティッシュ感 §
しかし、凄く良くフェティッシュ感が分かっている映画だ(過去作を含め)、という気がします。今回もゲストヒロインの腰の部分が横から見ると剥き出しであったり、モアの連邦軍制服が生足で袖もめくった南国仕様であったり。
ガラガラの劇場 §
かなり広めの良いスクリーンだったのに、客は5人ぐらい? いや本当に、ゆったりと見られました。オレはいい映画を知っているがみんなは知らない、という優越感を持って出られました。
オマケ・同時上映 §
「超電影版SDガンダム三国伝 〜 Brave Battle Warriors〜」ですが、これは本当に前座でしょう。単にストーリー的に「強いから勝つ」というだけで、嘘もひねりも仕掛けもない単純なあらすじです。いかにも、TV放映に合わせて慌てて準備したので練り込みが大幅に足りません(上映時間もね)という感じでしょうか。というか、既にSDガンダムで劉備だの関羽だのをやるという企画趣旨の段階で入り込めない感じです。いや、ボンボンでちょっと読んだこともありますが。しかし、不思議なことに、プラモは売れているらしいのです。(売れているから成立した企画でしょう)。
ちなみに問題の多い映画であるがゆえに、そのまま続いて上映されるケロロの出来の良さが良く分かりました。その点は良かったような悪かったような。うーむ……
いやー、映画って本当にいいものですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。