「さて、まだまだ続くささきいさお大先生ネタ」
「まだかよ」
「問題はガッチャマンIIの主題歌」
「え、ヤマトじゃないの?」
「うん、ヤマトじゃないのだ」
「で、何が問題?」
「愛がなければ愛すればいいとはどういうこと?」
「ある意味、矛盾してるね。愛があるから愛することができるというのに、愛が無かったら愛せないよね」
「うん、子供の頃はそう思った。だから、IIからFはほとんど見てない」
「ガッチャマン好きなのに?」
「そう。いろんなアニメを見ていてカウントダウンが2で止まって阻止されると、ガッチャマンだ!と喝采するぐらい好き」
「でも最近は1で止まるアニメが増えたよね」
「うん。もう世代が違うことが良く分かるね。もはや、カウントは2で止まるものだと言っても通じないわけだ」
「それで、愛がどうしたって?」
「つまりだね。たとえば、さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たちという映画がある」
「出たな、ヤマトネタ」
「ここで、この映画に本当に愛があるのかという議論が巻き起こるわけだ」
「実は、愛じゃなくて、受じゃないかと言われちゃうわけですね。本当は受の戦士たちじゃないかと」
「でもね。実はそれは意味がなかったんだ」
「ほほう?」
「愛とは実体がない。あると思えばあり、無いと思えば無いような不確かなものなんだ」
「まあ確かにね、実体は無いよね」
「つまりだね、特定の映画に愛があるか無いかという議論は不毛なんだな。どちらの結論も容易に出せるから」
「なるほど。観客を呼びたくて殺したから愛など無いというのも簡単。テレサが宇宙の愛というから愛があると言うのも簡単。でも、そんな言葉に意味は無いわけだ」
「では、何に意味があると?」
「ヤマトファンとしてヤマトを愛することさ。つまり、ヤマト愛だな」
「ヤマト愛!」
「そうだ。ヤマト愛だ」
「で、ヤマトネタでわしらのようにボケと突っ込みでウケをねらうのは?」
「ヤマト受!」
「ヤマト艦内で総受状態の可愛い古代君は?」
「ヤマト受!」
「おいおい」
「というわけで、ヤマトという作品の中に本当に愛があるか無いかは重要ではないのだ。問題は、ヤマトファンがヤマトを愛しているか否かだけなのだ。つまり、愛が無ければ愛すればいいさっ!」
「ははあ。そこにつながるわけね」
「うんそうだ。だから、茶々丸に魂があるかどうか、エヴァがあると思えばあると言っているのと同じ。ヤマトへの愛は、あると思えばあるのだ。だから、無いと思えたら愛すればいいのだ。そうすれば愛は生まれるのだ。ファンの心の中にね!」
「だから、中立の他人のふりをしてヤマトを叩いても意味はないのだ。絶対的な中立などこの世にはあり得ないからね。虚構の作品に対して持てるのは憎悪か愛しかない。実体がないのだからね」
「絶対的な正解はあり得ないと」
「そうだ。だから何かを言い切ってしまった瞬間に何もかも嘘になるよね。どんなことも言い切れないのだから」
「あんたもポンポンと言い切ってますがな」
「おいらはいいのだ。最初から信じるなと断って書いてるからね」
「それで?」
「正義の味方を気取って他者を貶めて反論無く言い切る態度はまず正義ではないわけだね。そのことはヤマトを見ていれば分かるだろう。復活編のSUSの態度そのものだ」
「やはりネタがヤマトに戻ると」
「デスラーだっていつの間にか味方になって敵と味方が曖昧なのがヤマト。アルフォンだって、ただの敵なら雪を開放してくれるわけがない。こんな世界で安易な正邪が通じるわけがない」
「なるほど。身体を張って守った地球にも、嫌な奴らは多いしね。防衛会議の偉い人とか」
「ガッチャマンも同じだ。バードミサイルを撃つというだけで、好戦派のジョーと穏健なケンが対立しちゃったりして議論するところが見せ場だったりするしね。ミサイルそのものじゃなくて撃つ前の話。敵との論争ですらない」
「そもそも何が正義なのかも明確ではないわけか」
「というわけで、最後に一言。ガッチャ、いいデュエルだったぜ!」
「最後はきっちりガッチャマンネタ……と言いたいがそれはGXネタだ!」
「3D映画でまたユベルを背負った十代に会えたからな。ヤマトも復活編第2作は飛び出す立体映画で頼むぜ。飛び出して迫ってくる球形艦首とか3D映画で見たいよな! 旋回するショックカノンの砲身のアップも3Dの見せ場だろう!」
「考えてみれば主人公なのに、挫折して覇王になって悪役のトップになってしまう十代って。しかも、元の心を取り戻しても覇王の目を持ち続けるし」
「そう。やはりヤマトやガッチャマンと同じフィールドで評価できるのだ。クロノス先生も悪役から別れたくないいい奴にいつの間にか変わってるし。善悪が割り切れない精神性の高い作品だった。それに、無駄にスカートが短い天上院明日香もG3号の正当な後継者と思えば」
「ネグリジェで廊下に飛び出す愉快な森雪さんの後継者でもあるな」
「時代はやはりここに繋がってくるわけだな」
「命から命に受け継がれる大宇宙の息吹は永遠に終わることがないのだ」