2010年03月10日
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感想「コララインとボタンの魔女」

Written By: トーノZERO連絡先

 昨日は無理に時間をつくってコララインとボタンの魔女を見てきました。3D字幕上映版です。何とTOHOシネマズの会員になって既に5本目。しかし予約を入れたときは何とも無かったのに行くときには既に雪が降っていたとは。特に帰りは既に積もっていてかなり疲れました。

 見た理由は、何となく見ておきたかったが、上映が終わりそうな勢いだったから。ちなみに、アバターは同じ劇場で見たときは1日4回上映。ケロロ軍曹を見たときは5回上映。コララインを見たときは何と1日6回上映。って、徐々に上映回数が増えるとはアバターは化け物か! 普通は回数が減って無くなるものでしょ!

 というわけで、コララインは消えそうな予感があったので頑張って見てきました。

 最初に結論を言えば、一般論で言えば自分が見たいと思う映画の理想型でした。(特殊論で言えばヤマト復活編だがそれは特殊すぎるので横に置こう)

ある意味で宮崎アニメのようだ §

  • 戦う美少女というモチーフがナウシカのようだ
  • 可愛くないけど表情豊かに動いているうちに可愛くなるのが千尋のようだ
  • でも、時々りりしい顔立ちをするのがナウシカのようだ
  • 両親についてのゲームが最後の試練になるのも千尋のようだ
  • 黒猫が寄り添うのが魔女宅のようだ
  • 隣に男の子が住んでいて、おばあちゃんがいて、大家の家の者で、いわくある家だと言うのがトトロのようだ
  • 突然突っ込んでくる男の子がアスベルのようだ
  • 助かった両親が何も覚えていないのは千尋のようだ

 しかし、そういう話はどうでも良いことです。おそらく、ルーツが似通っているということでしょう。

しかし、本当はセーラームーン §

 本当はセーラームーンに近いと言うべきかも。ただし、水野亜美が登場する前のセーラームーンです。以下のように言えば全く同じ構造です。

  • 女の子が1人で戦わねばならない。黒猫はいろいろ勝手なことを言い助言はくれるが戦いでは頼れない。仮面の変な男はいざというときに助けてくれるが登場が予測不能であり、しかも決着は女の子自身が付けねばならない

 つまり、援助者はいても最終的に自分の手で決着を付ける必要があるという意味で、よく似ています。援助者の男が顔を隠している点も驚くほどに似ています。

 しかし、これはセーラームーンが「チーム戦闘もの」に進化してすぐ消えてしまった幻のパターンでもあります。それゆえに、あえて他の女の子がほとんど出てこないコララインに価値があるとも言えます。

戦闘美少女ものとして §

 オタクが支持する戦闘美少女ものが「美少女が戦う」だとすると、コララインは「もともとアクティブで戦いに向いた女の子が出ているが、まだ幼いから可愛いだけ」とも言えます。つまり、明らかに「戦う女」という世界的なトレンドは「戦える説得力」にあるわけで、その点でアバターのヒロインも同じように戦うだけの説得力を持たされています。単にそのへんにいる女の子が不思議な力で戦っているわけではありません。可憐な少女がなぜか腕力で大男に勝つわけではなく、最後はゲームに持ち込むのも説得力です。知力勝負なら勝てないわけではありません。

 しかし、無理に説得力を持たせすぎると筋骨隆々になったり、異常な風体の蛮族になってしまったりします。その点でコララインはかわいさとりりしさが共存しており、成功していると思いますが、それはオタクの趣味とはおそらく一線を画して、狭い世界の外でも通用する中身だと思います。

自分のケツは自分で拭け! §

 一度は誘惑に乗ってしまった自分の行動が両親まで巻き込んでいるわけで、最後まできっちりと自分で戦い抜いた話は立派です。1本の筋が通っています。最初の見せ場に回帰する構成も見事だし、よくできたいい話ですね。

古さと新しさ §

 人形アニメという古い方法論でありながら、3D上映という新しいシステムを経由して出てくるところが面白いですね。ある意味、CGを使わない手描きにこだわっても後処理でばんばんコンピュータを使っているポニョにも通じる話ですが。要するに作品に魂が入るなら方法論は各自が得意な方法を使えばいいわけで、それと同時に使えるものは何でも取り込むどん欲さもあればもっと良いわけです。そういう映画ということですね。

ダウジング? §

 最初にコララインが枝を取って実行したのはダウジングごっこ?

 とすれば、「井戸を探す」という理由はそれかな?

 古い井戸があるはずだ、という話は唐突すぎるけれど、実はダウジングごっこをしているとなれば、ある意味で必然というわけだ。

 しかも、魔物を引き寄せるオカルト趣味の素養があれば、そのまま奇怪なかぶり物をかぶった男に襲われたり、実際にボタンの魔女に狙われたりする理由付けになります。

 とはいえ、これは日本人に分かりやすい概念と言えるのかな?

 そのあたりが客がアバターに流れる理由なのかな? どうだろう?

余談 §

 そういえば昔読んだSF小説に、目が覚めるとパラダイスが地獄だった……という話が2つぐらいあったようです。それとも似ていますね。しかし、少年少女の自立とはパラダイス・ロストなのでしょう。

余談2 §

 コララインはある意味で珍しい名前です。キャロラインの方がずっとメジャーであり、作中でも間違われます。ネットの検索では文字列のユニークさが命ということで、その意味でも良い選択をしていることになります。キャロラインでは他人とかぶり、迷惑を受ける/与える可能性が大きいものの、コララインならそのリスクを低減できます。検索のヒットしやすさも上がります。

観客 §

 終わって振り返るとガラガラと思いきや、少ないなりにそれなりの人数がいたのが驚きでした。しかし、明らかにオタクとはちょっと違う客層のような気がしました。下高井戸の映画館でイノセンスを見たら客層が明らかにオタクっぽくなかった時に似ていますね。

というわけで次は §

 次はドラえもん映画が見たいなあ。30周年だし。あとは、ディズニーのアリス・イン・ワンダーランドが気になる、というか帽子屋が見たい。銀魂も。夏はアリエッタとトイ・ストーリー3と他には怪談レストランも見たいな。本当に会員になった後で6本も見られるかという疑いはあっさり晴れて、下手をすれば時期によっては毎週見ても追いつかない可能性も。

 いやー、映画ってほんとにいいものですね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

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