2010年04月01日
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第1話までプレイ・サクラ大戦Vには致命的な欠陥がある!?

Written By: トーノZERO連絡先

「というわけで、ワンコインで買った時代遅れのサクラ大戦V。特に攻略サイトを見るわけでもなく、誰をヒロインとも決めずにスタート」

「へえ、やるんだ」

「というか、起動一発でこれはちょっと気になると思って、ちょっとやったら第1章の途中から面白くなってきて引き込まれた」

「サクラ大戦は5で終わっちゃったのに、5が面白いんだ?」

「うん、そこが問題だ。実は5にはシリーズが終わってしまいかねない致命的な欠陥を発見してしまった」

「欠陥があるなら、面白くないのではない?」

「いやいや。そうではない」

「どういう意味?」

「いいかい。まず大前提としてサクラ大戦のファンは基本的にキャラのファンだ」

「そうだろうね」

「プレイヤー本人の分身である大神が巴里に行く3は、周囲が新キャラだらけでも辛うじて許されるだろう」

「うん」

「しかし、5はそうではない。主人公が別人という上に、周囲は新キャラだらけ。出だしにちらっと大神とさくらが出てくるぐらいで、紐育に行くと慣れ親しんだキャラは加山ぐらい」

「ラチェットは?」

「うん。いい質問だ。ラチェットは新キャラではなく、劇場版にも出ているが、基本的に紐育から来た他者であり、きつい性格だ」

「効率が良いからと兵士を殺してさくらと対立したりするね」

「その、あまり親しめない性格のラチェットが隊長だ。初期メンバーのサジータもきつい性格だし、昴も親しめるタイプではない。というか、性格が壊れている」

「そうかもね」

「指令のサニーサイドも、人生楽しもうとか言ってる割に、きついことを平気で言うタイプだし。サブキャラの女性陣もすぐ隠れる女と、金髪の大女でやはり最初は認めてくれない。加山からも子供扱い。更に一番かわいげのあるメインヒロインは劇場の掃除夫だし。主人公を認めてくれるのは彼女ぐらいだけど、まずは一緒に掃除するだけ」

「それが問題?」

「いいや。つまり問題は未来を夢見る掃除夫のメインヒロイン以外は、ほとんど全員性格がきつくて、主人公に対して、おまえなんて子供だ、認めてやらないと言ってくるか態度でそう示してくれる。あるいは腹の底でそう思ってる」

「うん」

「しかも、ロボに主人公に乗り込むのは1時間45分ぐらいで、直前までそういう状況が続くのだ」

「えっ?」

「敵が出たから出撃させてくれるわけでもない」

「なるほど。劇場のもぎりはフェイクで本当は君が隊長だよ、って展開でもない」

「それを、未知の土地で経験不足の子供が大人になっていく微笑ましい話だと思い、リラックスして楽しんでプレイすれば面白く遊べる」

「それは難しい面があるかも」

「あるいは、自力でチャンスを掴んで底辺から上がっていく話だと思えばね」

「うん。そういう話はありだし、面白いかも知れない。誰にでもチャンスがあるアメリカだしね」

「でも、それはオタクにはダメなんだよ」

「ええっ!? どうして?」

「おそらく購買層として想定される現在のオタクというのは、実際には人並み以上の優秀さを僭称した子供なんだ。従って、優秀でもないし、大人でもないが、そのように扱われたくはない人種なのだ」

「つまり?」

「従って、オタク向けビジネスとはそれを回避して構築されねばならない。オタクを、優秀な大人扱いすることで成立する。何、金さえ出してくれればお客様は神様だからね」

「ということは、まさか」

「おまえは優秀ではないし、子供でしかないという事実を突きつけてしまう序盤の展開はオタク向けの作品としては致命的に間違っていると思うわけだ」

「しかも、優秀を気取りたいプレイヤーの味方は可愛い掃除夫だけ……」

「女の子達から慕われる隊長気取りで行きたいところなのに、底辺で夢見る少女だけが味方だし。その少女にしても、主人公を馬と同格に扱ってしまうほどだ」

「まさに底辺のどん底だね」

「うん。それをチャンスを掴むストーリーの始まりと認識できるゆとりがあれば、ちゃんと楽しめると思うよ」

「でも、常日頃、僕は大人だ優秀だと突っ張っていなければならない子供には、それだけのゆとりがないのか」

「さあ。良く分からないけど、そうだろうね」

「それは厳しいね」

「もう1つ、問題はサジータだろうね」

「なぜ?」

「子供は理屈を付けて正当化したがるが、サジータはそういう理屈を言わせないし、彼女自身がひどく理屈っぽくて彼女なりの司法の論理を展開してしまう」

「つまり、子供のほとんど唯一の武器が封じられてしまう」

「子供の屁理屈が武器と言えるかは分からないけどね」

「ってことはどうなの?」

「OPで、星条旗をデザインした飛行船が自由の女神の向こうに飛んでいる映像は文句なくかっこいいと思った。ここに、帝都でも巴里でもない紐育の歌劇団は存在している存在意義があると思った」

「うん」

「でもさ。飛行船は自由の女神の向こう側にいるんだ。分かるかい?」

「どういう意味?」

「人種のるつぼ、自由と平等の国、誰でも受け入れる国ではあるが、誰かが何かをくれる国ではないのだ。自由とはそういうことだ」

「だから?」

「何かをつかみ取ろうと歩いていく者は何かをつかみ取るかもしれないが、口をあけて待っている者には何も落ちてこないかも知れない、ということだ」

「それって?」

「愛されるさしたる根拠も持たない主人公がさしたる理由もなく複数のヒロインから好意をもってもらえる世界観じゃないってことだ」

「それがアメリカンスピリッツ、ヤンキー魂ということかね?」

「さあね。でも、おそらくこれを歓迎して受け入れる層は実際には存在せず、ビジネスとしては失敗だろうね」

オマケ §

「で、君は歓迎して受け入れたの? 受け入れてないの?」

「うん、いい質問だ」

「面白いか面白くないかといえば、面白いと思うの?」

「そうだ」

「なら、どうしていい質問になるの?」

「100%歓迎できるかというと、そこは微妙だな」

「というと?」

「最初の戦闘に入る前のセーブで1:47は長すぎる。しかも戦闘に入ってまたいちいち時間が掛かるし、見ているしかない。敵が操作できないのは仕方がないが、そもそも味方も最初は操作できない。初回プレイではうかつにスキップもできない。更に、1話が終わった時点で、2:47というのもけっこう長すぎる。紐育の街も力を入れて大きく作っているのが分かるが、広すぎて回りきれない」

「つまり?」

「可愛い男の子が頑張る話を味わえそうな大人向けにしては時間が掛かりすぎているし、台詞回しや展開に甘くてぬるいところもあるように感じられて、ねらい目と実態がちょっとずれている感じもある」

「うーん、微妙だね」

「ともかく、第1話に関して自分が面白かったことは保証できるが、100%お勧めしていいかは微妙だ」

「間違った大作主義とでもいうのかね。もっとサクサク進みたいのに、寄り道が多かったりするとね」

「でも、アメリカは何でもでかいのだ」

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