いやー、映画っていいものですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。
「いきなり終わらせるな!」
「いやいや。そういう映画だったわけだよ。映画は素晴らしいという内容」
「それで感想は」
「語った瞬間から壊れていくから意味がない」
「それでも少しは語れよ」
「じゃあさ、見始めてすぐ、これは傑作に遭遇したかもしれないと思った。そして事実面白かった。映像美という意味でも凄かった。音楽も良かった。創作論としても価値が高い」
「つまり?」
「断片を見るだけで引き込まれるのがいい映画なら、これはその好例だろうね」
「なら良かったの?」
「うん。それから、実は今まで見落としていたけど、レイトショーなら1200円なんだ。誰でも1200円。昨日(日付上)は、レイトショーに行った。これなら仕事の時間とかぶらないし、安く見られる。誰でもね」
「うん」
「あと、スタッフロール中に帰って行く人が多かったのは遅いからやむを得ないと思うけど、最後まで座ってみていたらちゃんと音楽的に最後まで構成に芸があった」
「それから?」
「出るとき、遠回りしないとダメかと思ったけど、エスカレーターも動いていたし、いつも通りの経路で駅まで出られた。さすがに閉まっている店も多かったけどね。これぐらいの時間までならOKということだろう」
「じゃあ、問題なし?」
「いや。電車の便が悪くなる時間帯だ。帰りは、府中から準特急で調布に出た後各停に乗り換えて、つつじヶ丘から急行。途中で各停が挟まるパターンはしばらくぶりだよ」
余談 §
「ちょっとだけどういう映画か教えてくれよ」
「ぜんぜん予備知識無しで見に行ったわけだが」
「うん」
「映画監督が女性関係で失敗する話だ。あと盛大に歌って踊る。それからメタで、ファンタジー的でもある」
「エッチも堪能できる?」
「半裸の美女が踊りまくるが、でも女より映画の方がいいという作品だろうね」
「皮肉で意味深だね」
「そこがいいところじゃないか」
「あと、ダレン・シャンのくそまじめなムードがイギリス系なら、この映画はイタリア系の奔放な感じだね。抑圧がないとは言わないが」
「そんなに?」
「ダレン・シャンが悪いとは言わないが、この映画は現実すら塗り替えてしまうぐらい奔放だ。ダレン・シャンは死者が生き返るために根拠が必要だが、この映画は死者が根拠もなく出てきて喋りまくる」
オマケ §
「で、分かったぞ」
「なにが?」
「続編はナイン2恋人宣言というタイトルになるんだろう」
「おいおい、どうして恋人宣言なんだよ」
「だってほら、映画監督は主演女優に恋をすると言うし」
「あなたに恋人宣言! ってネタ古いぞ。時代遅れだ」
「ははは。いいんだ。よれよれの時代遅れの男の映画だからね」