2010年04月19日
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ヤマトの副砲問題・それは単なる小さなショックカノンなのか?

Written By: トーノZERO連絡先

 ヤマトの兵装は考えると混乱してくる要素が多いのですが。たとえば、なぜ最大威力の波動砲ではなく、ショックカノンが主砲と呼ばれるのか……等。

 ここでは以下の問題について考えてみます。

  • 副砲とは何か? 主砲とはどう違うのか?

 軽くWikiPediaから引いてみると。

  • 主砲:48cm[46cm]三連装衝撃砲(正式な名称は「3連装48糎衝撃波砲」、ショックカノン)3基
  • 副砲:20cm[15cm]三連装衝撃砲(ショックカノン)2基

 まあこれが平均的な解釈でしょう。

 では、ショックカノンという専門用語を外しましょう。

 この砲塔は、ビーム砲でしょうか? 実体弾を撃つ砲でしょうか?

 実は、この問いかけが混乱しています。

  • 第1シリーズ第3話で主砲も副砲もビームを撃っている
  • 永遠にでは波動カートリッジ弾というれっきとした実体弾を主砲に込めて撃っている
  • 第1シリーズ第9話で副砲から反重力感応機という実体を撃っている

 はい、すべての砲でビーム砲と実体弾の双方を撃てるということが結論となりそうですが、その結論はちょっと待て!

 実は以下の問題を差し引くと話が変わってきます。

  • 第1シリーズ第2話では主砲9門の斉射で宇宙空母を撃ったのに、第3話では主砲副砲15門の斉射でミサイルを撃ったのはなぜか。より爆発しやすいミサイルを撃つために武装を強化したり、射程が短いであろう副砲まで動員する根拠が見えにくい

 つまり、ここで以下の仮説が出てきます。

  • 第3話で副砲まで動員しているのは、作画ミスであり、本来は主砲の斉射であったのではないか? 副砲まで主砲の一種という誤認によるミスではないか? (一列に並んでいて形もそっくりだ。同じ三連装でサイズの違いも微妙だ)

 更に、波動カートリッジ弾が後から出てきた設定であることを差し引けば、以下の仮説が出てきます。

  • 初期には主砲はショックカノンという名のビーム砲として設定された
  • 初期には副砲は実体弾を撃つ砲として設定された。名前は特にない

 従って、第9話で副砲でのみ反重力感応機を撃っていて、逆に冥王星では主砲だけビームを撃っていたのは初期設定に忠実な描写ではないか。

 しかし、その設定は第3話の作画ミスを受容するために変更され、「主砲と副砲は同じであり、どちらの砲もビームと実体弾の双方を撃て、それをショックカノンと称する」となったのではないか? 主砲と副砲の差は口径だけ、となったのではないか?

余談 §

 この問題、単なる「ミス」ではなく、実は副砲に関する明瞭な申し合わせがなかった、という可能性も考えられます。世界最大の艦載砲に対応するショックカノン、それを上回る波動砲、対空用のパルスレーザーや、もはや使用されない煙突を説明するための煙突ミサイルは十分にどのようなものか説明され、意思疎通もあったと思われますが、その点で副砲には役割を与えにくいと言えます。実艦でもあっさりと2基が撤去されて高角砲等に置き換えられているし。しかし、対空砲としての高角砲と機銃が一元化されてパルスレーザーという設定になっているのに対して、副砲は主砲との統合もされていません。あくまで違うサイズの砲としてデザインされています。

 というわけで、ヤマトの副砲こそ、ヤマト最大の謎ではないかという気もしてきました。設定を考える上でのブラックホールかもしれません。一定しないヤマトの全長や広すぎる第1艦橋などはある程度確信犯だろうと思いますが、副砲を巡る混乱はそれとは違うような気がします。

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