「ヤマト復活編でいいのは、広がる迎撃ミサイルだ」
「昔のヤマトも、広がって阻止する迎撃ミサイルがあったね」
「それと比較してかなり表現は変わっているけどね」
「それで?」
「これは、点防御と面防御の問題になる」
「どういうこと?」
「ヤマトは点なんだよ。いくらでかくてもね」
「点ということは、迂回さえすればいくらでも避けられるわけだね」
「コスモパルサーがあるから、それを展開することもできるが、それも結局は無数の点に過ぎない」
「そうだね」
「これが点防御だ」
「うん」
「これに対して面防御というのは、ある程度の面積を全て防いでくれる」
「迂回は難しいというわけだね」
「おそらく、迂回しようとすると隣の戦場に突っ込んでしまうぐらいの面積はあるのだろう」
「なるほど。そうなるとなかなか抜けないね」
「点防御は攻撃的、面防御は受動的という考え方をしてもいいと思う」
「主導権を取った攻撃的な行動じゃないってことだね」
「戦いが不可避だと分かった後、かなり長い時間を経て古代はやっと能動的、攻撃的な態度に出てSUSとの決戦に向かうことになる」
「それは重要なこと?」
「そうだ。希望的観測と思い込みで敵と味方を決めてしまい、すぐ攻撃的にはなっていない」
「そうか。艦隊決戦より移民船団を守る防衛戦闘か」
「いやいや。移民船団を守るにも、やり方が2つあるってことだよ。敵を倒せばそれで安全が確保できるというのが能動的防御だ」
「なるほど」
「だからさ。SUSに脅されただけで腰が据わってない敵に対して揺さぶりを掛ければ撤退を誘えると踏んで、能動的全面戦闘に突入するという選択肢も古代にはあったはずだ」
「でも実際は受動的戦闘に終始した」
「そこがゴルイにはアピールしたのだろう。結果として古代には理解者、味方が増えた。情報も得られた」
「それはどういうことだろう?」
「何のために戦うのか、という目標選定の価値観に一石を投じているんだろう」
「というと?」
「敵を倒すことよりも、移民船団を守るという愛に徹するということだ」
「それを象徴するのが広がる迎撃ミサイルってことだね」