2010年11月28日
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続々々々々・パソコン雑誌戦線に異状有り?

Written By: 川俣 晶連絡先

「というわけで、本屋のパソコン雑誌コーナーのウォッチングの続きだ」

「終わったはずじゃないの?」

「実は小岩駅の本屋を見て面白い傾向があったのでね」

「どんな傾向?」

「Android関係のムックが3種類もあった。auのIS03も凄い勢いで売れていてモノがないそうだから、これはもしかしてAndroidブームが立ち上がる兆しだろうかと興味が沸いた」

「それで?」

「10誌以上が並んでいるパソコン雑誌コーナーで3誌はまだ多いとは言えない。最盛期のiPhone/iPad本なら過半数を占有していることも珍しくなかったからね」

「だから、『兆し』として気になるわけだね」

「このまま、iPhone/iPad本に取って代わるブームが起きつつあるとしたらどえらいことだ」

「それで?」

「あらためて帰りに桜上水の啓文堂をチェックしてみた」

「それでどうだった?」

「ぜんぜんこっちは変化無し。Androidムックなどまるで無し」

「ははは。肩すかしだね」

「小岩駅のオシャレなショッピングモールには、おそらくトレンドに敏感な人も多いのだろう。そういう場所では、Androidムックへのニーズがけっこう厚いだけかも知れない」

「まだ一般人にはそれほど浸透してないってこと?」

「おそらくはな」

「じゃあ、この先はどうなるの?」

「それはこっちが知りたいぐらいだ。ブームは起きるのか、どの程度なのか、それは定着できるのか、等々」

「君の予感だと、どうなんだい?」

「ブームは起きつつあるようだ。ここまではおそらく確定と言っていい。問題は、そのブームのスケールだ。それから定着するかだ」

「で、定着すると思う?」

「いや、おそらく定着しない」

「それはなぜ?」

「大多数の客はそんな高機能の端末を必要としていないからだ」

「ははは」

「たぶんね。最初は見せびらかすと感心してもらえるけど、周囲が慣れてしまうと見せびらかす快感も無くなる。そして、実際に使う上でそれほど高機能である必要もないから、持っている意味もあまりない。壊れたらただのケータイに取って代わられるだろう」

「じゃあ、ほとんど未来予測はできてるじゃん」

「いやいや。iPhone/iPadブームには届かない小ブームで終わる可能性が高いと思うが、それでもあり得る可能性としての幅が極めて大きい。どこまで一般人やマスコミを巻き込めるかは未知数だ」

「そうか」

「あるいは、成功するならどういう手順で成功していくか、失敗するならどういう形で失敗していくかが気になるがそれも未知数だな」

「それも予測が立たないの?」

「そうだ。印刷出版業界でMacintoshが強い関係で、それを起点にしたマスコミでのiPhone/iPadの扱いは好意的で良かった。でも、Androidにそういうバックはない。ならば誰がどう支持して、どのような媒体がアピールして行くのか? それはどの程度のものか? 流行るのはIS03なのか? Androidなのか? あるいはauなのかGoogleなのか? どうなるのだ?」

「おいおい。質問してるのはこっちだよ」