2010年12月06日
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SPACE BATTLESHIP ヤマトで波動砲を地球出発時に撃つのはありか?

Written By: トーノZERO連絡先

「劇場版アニメのヤマトで、ヤマトはショックカノンで超巨大ミサイルを撃って発進する」

「うん」

「TV第1シリーズでは、第2話でショックカノンを高速空母に撃ち、第3話でショックカノンを超巨大ミサイルを撃って発進する。第2話は主砲のみ九門、第3話は副砲も含めた15門という違いはあるが、ともかくショックカノンだ」

「うん」

「でも、SPACE BATTLESHIP ヤマトは波動砲を撃って発進する」

「そうだね」

「ここで、『そんなのヤマトじゃない』と言うのは簡単なんだが、ちょっとそこで立ち止まってくれ」

「どうして?」

「実は、以下の2点を考え合わせると、『そんなのヤマトじゃない』とも言い切れなくなるからだ」

  • シナリオでは第2話で波動砲を撃っている。対象は司令船である (実際は司令船の出番ごとカットされている)
  • 劇場版アニメ第1作では、第2話と第3話の内容が統合されてミサイルだけに絞られている

「ってことは、あれか? 成り行き次第ではあそこで波動砲を撃っていたかもしれないわけか?」

「シナリオにもあるということは、その寸前までは行っていたのだろう」

「寸止め波動砲……」

「まあ波動エンジン動かすのは第3話なので、2話で撃ったら辻褄合わないだろうと思えば、寸止めして正解だろけど、第2話と第3話をまとめて描く劇場版になると話が変わる。補助エンジンを動かす展開が一切カットされて、ここで波動エンジンを動かすとすれば、波動砲を撃っても辻褄は合う」

「確かに撃てるけど、撃たなくてもいいよね?」

「実はここで撃つとすれば、その変更でいくつかのメリットも生まれる」

  • 時間的に浮遊大陸のエピソードまで入らないが安全に飛ばせる
  • 劇場版アニメ第1作の浮遊大陸は、入らないのに強引に突っ込んだので超ダイジェスト状態だが、そういう無様な状況を示さなくていい (ナレーションで説明というのは最悪の選択だ)
  • 「ヤマトの軸線」という台詞を活かせる
  • 避けられないエピソードである出発で波動砲の初発射を描ければ、それだけ時間の節約にもなり、廊下で出会う安藤とか、チーム古代再結集とか、別のシーンを入れやすくなる

「なるほど」

「だからさ。こんなのヤマトじゃないと言ってしまうのは簡単だけど、そういう奴とスタッフ。どっちのヤマト愛が深いかと言えば、おそらくスタッフの方だろう」

「愛の深さが試されているのね」

「うん。実は意外とよくある状況なのだが、ヤマトを分かっていると豪語する者ほど実は知識が浅かったり甘かったりする。今時のヤマト研究の最前線は企画案や没設定など、画面に出てこない部分にまで及んでいるからヤマトは全部見たという程度で太刀打ちはできないが、そういう知識や、とっくに否定された都市伝説レベルの俗説をしたり顔で語ってしまう自称マニアも多い」

「それは君の状況を言ってるのかい?」

「とんでもない。大クロニクルを見て見ろ」

「話を戻すと、それと比較すると、SPACE BATTLESHIP ヤマトの深さはかなりのものだってことだね」

「うん。下手な批判は自分の浅さをわざわざ宣伝するような行為になる。そういう意味で、自称マニアを自滅させるトラップみたいな映画にもなってる」

オマケ・冥王星の問題 §

「SPACE BATTLESHIP ヤマトは、まるまる冥王星(反射衛星砲)の決戦がカットされている」

「うん」

「だからヤマトじゃないというのは簡単だ」

「そうだね」

「でもさ。それを言ったらアニメの劇場版でもバラン星がまるまるカットされているんだ」

「そうか」

「カットされているからヤマトじゃないという理屈が成り立つなら、実はSPACE BATTLESHIP ヤマトだけじゃない。劇場版アニメも、やはりヤマトじゃないことになる」

「それは無理があるね」

「でも、当時の偽らざる心境だよ。こんなのヤマトじゃない!」

「怒ったの?」

「でも、新作カット見られたら許す。という心境」

「ははは」

「そもそも当時はヤマト見られる機会も多くないしね。ヤマト見られるだけで幸せ」

オマケ・多弾頭砲を頼む! §

「今気付いた」

「なに?」

「テレザートに降下したら敵がいました」

「SPACE BATTLESHIP ヤマトの場合、まず降下するのは空間騎兵隊じゃなくてコスモゼロだけどね」

「うん、さあ次はどうするでしょう?」

「多弾頭砲を頼むんだよ。宇宙から降りてくる」

「そうだ。そして、SPACE BATTLESHIP ヤマトでもちゃんと多弾頭砲が宇宙から降りてくるんだよ。ターゲッティングされた砲台に撃ちまくるヤマトそのものという多弾頭砲がね!」

「えーっ! あれが多弾頭砲だったのか?」

「機能的にそうだろ?」

「確かにたくさんの弾頭を撃てる砲を満載した兵器だね」

オマケの深層 §

「ここで、ヤマトが撃ってくれるというのは重要な意味がある」

「というと?」

「映画というのは、ぶらっと来た一見の客が見て理解できる必要がある」

「そうなの?」

「そうだよ、映画雑誌とか見ると、TVシリーズの映画化の映画とか『TV見たことないからぜんぜん分からん』と盛大に一律に低評価付いておしまいという映画もある」

「へぇ」

「まあ、おいらも予備知識無くいきなり見に行くしね。これは映画に予習が必要じゃないからできることだ」

「それがどうしたの?」

「だから映画は設定を過剰に複雑化はできないのだ」

「出さなくていいメカは出さない方がいいってことだね」

「そうだ」

「でも、さらばは多弾頭砲を出したよ」

「その分、搭載機がコスモタイガーに統一されているからいい。でも、SPACE BATTLESHIP ヤマトだとコスモゼロも搭載しているから増やしたくない状況だろう」

「なるほど」

「とすれば、多弾頭砲が出てくる状況だがそこでヤマトを代役として使うのもリーズナブルというわけだ」

「なるほど」

「だから『こんなのヤマトじゃない』というのは簡単だが、過剰に複雑化できないというのはヤマトの外側にあるルールだからな。守らないと映画としては評価に値しないファンムービーってランク付けになってしまう可能性もある」

「ルールか」

「だからさ。バスケの試合を見ながらプロの選手指さして『手に持って走れば簡単なのにわざわざドリブルするなんてバカじゃね?』と言ったらかえって自分の無知をさらけ出すのと同じだ」

「ははは。ルール無視すればどんな批判だってできるね」

「実は意外とルールが分かってない批判ってのは珍しくないよ。スポーツならまだしもビジネスとか一般社会とかね」

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