「年内の計画が決まった。より正確には2011年1月1日までの計画だ」
「話してくれ」
「今週はライダー、来週はトロン。これで年内の映画は鑑賞終了。来年の最初になる1月1日は、可能ならSPACE BATTLESHIP ヤマトを見たい。まだ上映していてくれると期待しての選択だ」
「なぜ1月1日にヤマトなのだ?」
「今年は2200年と念じながら見に行けばそれで1年が発進できる」
「そうか
「沖田艦長、餅付きを許可してくれるといいな」
「それはいいから」
「というわけで、今日はライダーだ」
「うん」
3本の映画 §
「厳密に言うと、実は3本の映画が連続して上映される構成なんだ」
- 『仮面ライダースカル メッセージforダブル』
- 『仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望』
- 『MOVIE大戦CORE』
「MOVIE大戦2010と同じ構成だね」
「厳密に言うとそうではない」
「というと?」
「スカルの世界はWの世界の過去にあたり、オーズの世界はWの世界とそのまま繋がっている設定だからだ」
「前のW映画で伏線無しでオーズが助けに来たね」
「うん。であるから、ライダー映画を連続で見ている皆勤賞の客は、Wはオーズの変身前と変身後を知っているがアンクは知らないという状況を知っている。だからWはアンクを見て驚く描写を見てそうだと分かる」
「そこは凝っているね」
「しかし、最終的に2人のライダーが共闘する必然性が希薄なのだ」
「ええっ?」
「MOVIE大戦2010の場合、Wは異世界を渡るディケイドの世界を経由しなければ、既に死んでいるスカル(別の世界のスカル)に再会できなかった。そういう意味での必然性がやはり弱かった感じはある」
「どうしてそうなるんだろう」
「ディケイドの世界はディケイドだけでは完結しない。なぜなら、ディケイドはそもそも複数の世界のライダーに出会うキャラだからだ。しかし、Wもオーズも自らの世界で完結している」
「そうか。だから共闘の意味合いが弱いのか」
「あと、オーズはアンクのようなアクの強い相手と共演して魅力が出るタイプだ。円熟したWでは、魅力が引き出せない」
タイトルの「ざぶーん」 §
「ちなみに、東映の波のタイトルは凝っているぞ」
「どういう風に?」
- 1本目→W風に左右に色違い
- 2本目→オーズ風に上下に三色
- 3本目→文字は1本目風、枠は2本目風
『仮面ライダースカル メッセージforダブル』 §
「ともかく良かった。この映画は良かった」
「どう良かった?」
「スカルがスカルになる話なのだが、実はこれまで出てこなかった相棒が出てくる」
「うん」
「しかも、こいつも格好いいし、大人だ」
「大人の男の魅力ってことだね」
「ところが、そんな奴がいるという話はこれまで出てこない」
「強引に突っ込んだということ?」
「そうじゃない。実は、彼が消えてなくなった理由というものが描かれる」
「ビギン・ザ・ナイトに彼がいない理由だね」
「しかも、存在が語り継がれない理由も何となく分かる」
『仮面ライダーオーズ ノブナガの欲望』 §
「実はこれも面白い」
「どう面白いの?」
「クライマックスのバトル中、ひたすら横でオーバーラップしたバレリーナが踊っているのだよ。ははは」
「バトルものの映画ではあり得ないね」
「しかも内容は一種の歴史ものだしね」
「そうか」
「それに1本目がウェディングドレスなら、2本目はバレエだ。フェティッシュ感もいいぞ」
『MOVIE大戦CORE』 §
「さて問題はこれだ」
「問題か」
「アクセルは良かった。半分女の尻に敷かれているような男だが、最後はメモリーを取り戻して花嫁を守って戦う。まだ式はこれからだというのに、こんなに尻に敷かれていいのかと思うがまあ男と女はそんなものだろう」
「それで?」
「新ライダーの先行顔見せもあり、アクセルの戦いも平行してあるので、Wとオーズも入れれば結局4人。更に敵も一応ライダーの一種らしいので、それも入れると5人。これはちょっとやり過ぎという気もする」
まとめ §
「1本目と2本目は文句なく面白い。見てもいいと思う」
「そうか」
「映画としての筋を通すという意味では、メモリーを花嫁に取り上げられたアクセルという主題が提示され、最終的に取り戻して変身して勝つという形で主題が回収されている。そういう意味で、3本目は必要なのだが敵である超巨大なライダーである『仮面ライダーコア』が存在する必然性がイマイチはっきりしない。アンクに驚くWも余計なシーンという気がする。驚くだけで、それ自体は別に何の展開にもつながらないからだ」
「ということは?」
「3本セットであれば、2010の方が構成の出来は良かった思うが、1本目、2本目は個別の映画として非常に良くできていて面白いと思う」
オマケ §
「そういえばさ」
「うん」
「劇場通いを始めて最初に見たライダー映画が2010なんだよ。そのあと、トリロジーを3本全部見て、運命のガイアメモリーまで見た。つまり皆勤賞だな」
「ははは」
「でも、ある意味でライダー映画を絶対に見たいという呪縛からはこれで解放された気がするよ」
「もう見ないの?」
「先のことは何も分からないよ」
オマケ2 §
「予告だが、春から夏にかけての常連が揃ってきた。ドラえもん、コナン、クレヨンしんちゃん、ポケモン。ケロロは無かったけどな」
「そうか」
「急にずらりと並んだ気がするな」
「そんなに?」
「でも、具体的なイメージが伝わってくる映画はまだいちばん公開が早いドラえもんだけだな」
「どんな感じ?」
「鉄人兵団のリメイクだが、凄く印象はいいぞ。驚くばかりだ」
「そんなに?」
「実は昔の鉄人兵団も劇場で見ているがそれほど評価は高くなかった。ロボットを操縦して地球を救うと言う話が安直すぎると感じた。まあ、あれが好きだという人もいるから、人それぞれだろうけど」
「うん」
「でも、今回の映画の予告からは安直さをまるで感じない。それどころが、凄く面白そうだ」
オマケIII §
「今回はますます意識したよ」
「何を?」
「VFXがあればいい。アニメを見る必然性は大幅に後退中だ」
「そんなもの?」
「特に身体の一部が無いのに自由自在に動くライダーコアを見ていると、これはおそらくアニメでは難しいと思った。だから、VFXでもいい、ではなく、VFXの方がいい、という印象を受けた」