「なんだい、このバルキリーってのは」
「実は以下のような対応関係が取れると気付いた」
- コスモゼロ - ファイター
- ホバリング形態 - ガウォーク
- アナライザー自律モード - バトロイド
「まあ確かに内部にロボが含まれる戦闘機ではあるな、コスモゼロも」
「ただし、単に対応関係が取れるという話ではない」
「というと?」
「対応は取れるが、意味するところがまるで違うからだ」
「なるほど。確かに戦闘機から腕が出てきて人(もちろん女の子)を掴めるのは同じだけど、アナライザー自律モードとバトロイドではまるで違うね」
「簡単に言えば、バトロイドは巨大ロボットの一種で、非力な僕が別の存在になりかわり、力を得るための暴力装置なんだ。しかし、アナライザー自律モードは、あくまで人間をアシストするための存在だ。人間が操縦するわけではない」
「なるほど」
「だからさ、SPACE BATTLESHIP ヤマトのコスモゼロというのは、子供っぽい欲望の部分を切り離して変形する戦闘機のロマンを推し進めたものだとも言えるわけだ」
「そうか」
「だから、このコスモゼロをもって、バルキリーの幻影に勝った気がするよ」
「それは意味のあることかい?」
「ある。板野サーカスの力で凄い存在感を与えられたバルキリーの幻影はなかなか消せなかった。しかし、消せるとすれば、そこから前に進める」
「進めることが重要?」
「そうだ。この問題は、それこそが最重要だ。コスモゼロは終着点じゃない。出発点なんだ」
「つまり変形するバリエーション数の問題じゃないってことだね」
「そうだ。3段変形が4段変形なったら偉いという話ならとっくにオーガスが勝っている。7段変形のセブンチェンジャーってのもあったっけ? でも、問題はそこにはない。むしろ、安直な巨大ロボット形態を排除した点がポイント高い」
「マイナスの勝利ってことだね」
余談 §
「SPACE BATTLESHIP ヤマトのコスモゼロも、コクピットの下あたりが膨らんでそこに高機動ノズルがあるんだよ」
「昔のコスモゼロにもあったよね」
「うん。だからこいつはどこまでコスモゼロなんだ!」
「コスモゼロというにはかなり違うシルエットなのに、構成要素としての記号はひたすらコスモゼロってことだね」