2010年12月25日
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感想・映画「トロン:レガシー」

Written By: トーノZERO連絡先

「まず、割引にならない日にどうして映画館に行ったの?」

「ポイントが溜まっていたからだ」

「それだけ?」

「ストレスも溜まっていたからだ」

「でも、どうしてトロン?」

「本当はヤマトを見ようと思ったのだが、ポイントでタダにして見るのはなんかヤマトへの貢献に欠ける気がした。そこで、ポイントでトロンを、割引の火曜日にヤマトを見てはどうかと考え直した」

「なるほど」

「だから今日はポイントでトロンを見た。3D料金は別途払ったけどね」

劇場の状況 §

「劇場はヤマトとトロンの一騎打ち状態?」

「まさか」

「どういうこと?」

「売店にもうヤマトグッズは見当たらなかった」

「じゃあトロンの勝ち?」

「いいや、トロンのグッズは隅の方に少しあっただけ、ブリーチとかもね」

「じゃあ、売店の勝利者は誰?」

「ライダーとイナズマイレブン。この2者が圧倒的」

「ははは。上映開始からかなり経過したヤマトグッズが駆逐されるのはまあ妥当だろうけど、トロンも弱いわけだね」

感想 §

「それで感想は?」

「ははははは」

「笑ってないで教えてよ」

「ヤマト、ピンチだぜ」

「どういう意味?」

「こういうのは強力なライバルがいてこそ盛り上がる。ヤマトとスターウォーズどっちが好き?みたいな話題で盛り上がれば、どれ1つ自分も見て見ようかという客も動員できる」

「そうか、ライバル不在だとそういう盛り上がりが期待できないわけだね」

「そういう意味で、トロンはヤマトのライバルになり損ねた感じだ」

「どうして? 人気が無いから?」

「むしろ、こう言う方が良いだろう。あまり面白くないからだ」

「ええっ!?」

「昔のトロンの忠実な続編であり、それゆえに、昔のトロンのつまらない部分まで引き継いでしまったような気がする」

「どういう部分?」

「たとえば、さしたる理由もなくプログラムが人間のように振る舞う描写だね」

「なるほど」

どのへんがアレなのか §

「主人公の少年は仮想世界の創造主の息子で、いわば最初から特別だ」

「そうか。努力しなくても最初から特別なのか」

「しかも、凄い会社の筆頭株主なのだ」

「なるほど」

「要するに、悪い連中をのさばらせたくなければ、彼がノーと言うだけで良かった。冒険は必要無い。人として大人としてしっかりとした芯があればいい」

「そうか」

「いい例だから比較するけど、アイアンマン2という映画も、実は創業者の息子が主人公であり経営者なんだが、状況はまるで違う。偉大な父に打ちのめされ、その遺産となるメッセージを必死に解読し、とても大きな苦悩を背負うのだ。確かに見ていて面白かったよ。見応えがあった。それと比較すると凄く薄っぺらい」

「そうか」

「あと、コンピュータ描写が凄く薄っぺらい」

「どういうこと?」

「その会社が発売する新製品は、OSのバージョン12なのだが、何が違うか分からないと言われて経営者が番号が違うとしか答えられない。いくらなんでも、それは通常あり得ない。というか、誰も買わない。それからコンピュータの画面はまるでUNIX(あるいはLinux)のコマンドライン。いくら何でもそれは貧困すぎる。手を抜きすぎ。更に言えば、そのソフトを無料で配るべきだというのが、主人公側の正義なのだから笑っちゃう」

「え、会社がコストを掛けて作ったソフトなんだろう? それをタダで配って採算取れるの?」

「さあな。おいらは知らないよ」

「どういうことなんだい?」

「だからさ。肥大化した自我を持つ子供の発想で終始作られた映画ってことだ」

「いわゆる典型的な『賢いつもりの僕』ってことだね」

「そうだ。だから、論理的な思考を貫徹できず、設定がどんどん甘くなる。プログラムが人間のように振る舞うのはいわゆる擬人化だ。更に言えば、ヒロインは主人公のピンチを都合良く救ってくれるバーチャルな存在だ。ご丁寧にも、結末とはそのバーチャルなヒロインを現実世界に連れてくることにある。まるで2次元の萌えキャラを現実の嫁として扱えと要求する茶番を具現化したような展開じゃない?」

まとめ §

「まとめるとさ」

「うん」

「状況が記号的な設定でしかないから、頭では分かるが感情移入できない」

「そうなの?」

「ISOという虐げられた人たちがいると設定されていても、そんな人たちのことは何も知らないので、ふーんとしか思えない。登場人物でもヒロイン1人しか出てこないし」

「それは分かりにくいね」

「父親のコピーみないな男がいるのだが、父親が2人いる理由も良く分からない。単純に、父親を乗り越える話なら1人でいいはずだ。でも、倒すべき父の他に助けてくれる父もいる。これでは、自力で父を乗り越える話ですらない。凄く甘えた話だ」

「そうか」

「しかも、散々助けてくれる父親に迷惑を掛けたあげく、その父親を救わないで戻ってくる」

余談 §

「ISOをアイソと呼ぶのは愛想がいいからじゃない。国際標準団体のISOもアイソと読むからだ。日本人はイソと読む人も多いけどね」

「実はISOも他の用語と同じく技術用語だってことだね」

「グリッドとかゲームと同じような感じだろう」

「しかし、なぜISOが虐げられて滅ぼされる可愛そうな存在の名前なんだろうか」

「企業が自社の都合でISO標準を実装したり、しなかったりして、扱いか軽いからだろう」

「そうか。それは悲惨だね」

「そうとも言えない。なぜなら、自社技術を強引に売り込むために、ISOの標準に仕立ててしまうという方法論もあるからだ。ISOやそれに準じる標準を採用基準にしている組織とかも割と多いからね」

「なるほど。綺麗なばかりではないのだね」

「そうだ。そういう戦略的なISO標準を実装することは相手に塩を送ることになると思えば、実装しないことも当たり前だ」

「そうか」

「だからさ。ISOを虐げられた可愛そうな人たち扱いすることが、既に甘いわけだよね。発想が甘い」

「ISOで実際にバトルしてる人たちは、そんなに甘くないよってことだね」

余談2 §

「ラプンツェルの予告の方がずっと面白そうに見えたな」

「ディズニーだから良いとも悪いとも言えないわけだね」

「アリス・イン・ワンダーランドは面白かったしな」

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