2011年02月14日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 4085 count

続々々々々々々々・パソコン雑誌戦線に異状有り?

Written By: 川俣 晶連絡先

「まだ何かあるの?」

「あまり話題は無いな。最近はあまり本屋も覗いてないし」

「まったく?」

「近所の本屋は覗くが、やはりスマートフォン関連のムックは減ったままだ」

「じゃあ、どうしてまたこの話題なの?」

「本当にAndroidは売れるのか、という疑問への答えになりそうな記事を見たからだ」

「韓ドロイド」に見る1年後のAndroidアプリビジネスより

 大手量販店の競争が激しい首都圏のユーザーには想像が付きにくいと思うが、「地方では、ショップカウンターでの対面販売で勧められた機種を素直に買っていく人が多い。販売員がスマートフォンを勧めれば確実に売れるし、インセンティブもタップリ入るからね。はははっ……」(地場企業経営者)というわけで、この人の話を聞いているうちに、山田社長の600万台発言はハッタリでも何でもなく、実現可能な目標に思えてくる。

「なるほど。確かに、ドコモが全力でプッシュして売るなら売れそうだね」

「うん。でもさ。ここに1つの問題がある」

「何?」

「携帯屋さんに『携帯くださいな』と言って客が来たとする」

「うん」

「そこで、店員がAndroid携帯を勧めて売ったとする」

「うん。それはあり得るというんだろう?」

「おそらく嘘では無かろう」

「じゃあ、Android携帯は売れるってことじゃない」

「ああそうさ。それがどれほどクソ迷惑な反社会的行動であろうと、売れるだろう」

「迷惑そうな顔だけど、一応疑問は解消だろ?」

「いやいや。よくこのシナリオを考えてくれ」

「えっ?」

「客は携帯を買いに来たんだ。店は、Androidを『新しいスマートフォンっていう携帯ですよ、さあどうぞ』と言って売るわけだ」

「そこに何の問題があるんだ?」

「客は携帯を買いに来て、店も携帯として売ってしまうんだよ」

「あれ?」

「つまりさ。この構造の問題は、実はユーザーの『スマートフォンに対するニーズ』を一切喚起してない点にある訳だよ」

「ああ、分かったぞ。Android携帯がいくら増えても、スマートフォンへのニーズが増えるとは限らない訳か」

「通話とメールだけでいい、という携帯ユーザーは珍しくも無いし、別にそれで困っているわけでは無い。そういう客にAndroid携帯を売ることは可能だろうし、安くて店員のお勧めなら客も買うだろう。でも、そのあとでスマートフォンとして使うかは別問題だ」

「スマートフォンとして使わないってことは、アプリをダウンロードするなんてこともしないわけだね」

「そういう意味でAndroidのアプリが金儲けになるかどうかまだまだ不透明だ」

「ただでさえ端末の自由度が高すぎてアプリ書きにくいのにね」

「まるで、アプリを書くなと声を揃えて要求してるようなものだろう」

「それは悩ましいね」

「より正確に書こう。Android携帯が売れればそこそこの割合のユーザーはスマートフォンとして使えることに気付いて使おうとするだろう。しかしその人数の比率は良く分からない」

「いかに、一千万台のAndroid携帯が日本に溢れても、実際にアプリをダウンロードする客層の割合が不透明ってことだね」

「逆に、AppleやMSの携帯は、端末そのものの売れ行きが細くても、アプリがダウンロードされる比率がずっと高くなる可能性がある。PCでのメジャーブランドってことは、それに慣れたユーザー層が流れ込む可能性があるからだ」

「じゃあ君の結論は?」

「ワカラン。先のことなどワカランよ。全ては可能性に過ぎん」

「ええっ? 結論出ないの?」

「1つの疑問への決着は付いた。しかし、それは新たな疑問の壮大なプロローグに過ぎなかった」