「島大介は服に着られる男の子である。その時の格好の性格になりきってしまうという難儀な男の子なのである」
「アニメの島の制服を着せてみよう」
『戦闘には賛成できない。スケジュールは既に遅れているんだ』
「おっと、理知的な島君登場」
『海峡は絶対にある!』
「意外と頑固」
「ちょっとうざいので、実写の島の制服を着せてみよう」
『息子は5歳になったんだ。必ず放射能除去装置を持って帰るからな。約束だ!』
「島が一気に子煩悩のいいパパに変身したぞ」
「服に着られる男の子だからいいのだ」
「テレサが泣くぞ」
「サラリーマンのスーツを着せたら課長になるかな」
「それは島耕作だ」
オマケ §
「しかし、なんだこれは」
「本棚から竹本泉の『しましま曜日(1)』が出てきたからつい書いたのだ。わっはっは」
「いつの本だよ」
「1994年12月22日の4刷。けして新しくは無い。絶版アスキーコミックス版」
「十分古いよ」
「古いってのはヤマト以前のものをいうのだ。新戦艦高千穂とか浮かぶ飛行島とか」
「そりゃ古すぎだ」
「しかし、もう持って無いと思ってネタにしなかった『しましま曜日』なのに、今になって出てくるとは」
「島さん、ありがとう」
「テレサみたいにしんみり言うな」
オマケ2 §
「もし、島が子持ちの妻帯者なら」
「子持ちの妻帯者なら?」
「テレサとのラブロマンスは発展しないだろう」
「そうか」
「テレサもテレザートを自爆させて白色彗星の進路を妨害しない」
「うん」
「するとヤマトは決戦に間に合わない」
「空母部隊を指揮してバルゼーの空母群を殲滅できないわけだね」
「でもいずれにしても土方艦隊は負けるので結果は同じ」
「わははは」
E.E.オマケ §
「というわけで、昨日はレンズマンを話題にしたが」
「それがどうかしたか?」
「しましま曜日を読んでいてぶっ飛んだ」
「何を?」
「スカイラークを話題にしている。ヴァレロンのスカイラークだとか、スカイラーク対デュケーヌだとか。20年前に読んだきりとか言ってるし」
「若い人には何を言ってるかさっぱりだろう」
「ファミレスがどうしたとか」
「わはは」
「違うんだよな。スカイラークといえば、レンズマンと並ぶE.E.スミスの双璧」
「スペオペだね」
「他にはペリー・ローダンも読んでるようなニュアンスだ」
「へぇ」
「だからさ。明らかにSF小説が少女漫画家の基本素養であった時代というのが確かにあって、それが百億の昼と千億の夜のように、小説SFから少女漫画に来る作品が生まれる土壌なのだよ」
「小説SFが原作では無くても『地球へ』なんていうのも、その流れの上にあるね」
「結局、ヤマトも同じ時代の流れにあったわけだ」
「そういうものか?」
「いいかい。松本零士はもともと松本あきら名義で少女漫画も描いてたのだ」
「そうか」
「そういう意味で、少女漫画からSF漫画への転進はけして奇異では無い」
「トレンドの流れの上にあるってことだね」
「もっとも、少女漫画から四畳半漫画への転進は奇異かも知れない」
「わははは」
「それはさておき、実際にはもっとバックグラウンドは遡れる」
「少女漫画界に影響を与える更に原点になった動きだね」
「それが手塚治虫や藤子F不二夫などの持っていた小説SFに対する偏愛だ」
「松本先生もこちらの動きにシンクロしている可能性もあるね」
「うん。更に言えば、西崎さんももともと虫プロ系の人だから、そういう影響を受けていることになる」
「そうか。しましま曜日でいきなりスカイラークという名前が出てくるのもヤマトという企画が成立するのも、松本先生がヤマトをデザインするのも、全部ひっくるめて1つの大きな流れに収斂できるのだね」
「そうだ、大河のように大きな流れになる」
「大河の物語か」
「おぼろげながら見えてきたな。これが戦後日本の大河ドラマだ」
「でも冒険的でもあるよね」
「じゃあタイガアドベンチャーと呼ぼう」
「それも何か違う」
「タイガアドベンチャーは違うが、未来少年コナンも同じ流れの中にあると見ていいだろう」
「最終戦争、地殻変動、宇宙にあるエネルギー供給衛星、ギガントのような超兵器といったあたりのノリは同じ流れの匂いがするわけだね」
「しかし、この流れは1980年代に入って急速に瓦解していくように思える」
「そんなものかね?」
「いや、予兆は既に1970年代のうちからあったのだろう」
「そうか。ナウシカ以降の作品からは急速にそういうテイストが消えていくわけか」
「ナウシカもラピュタも最終戦争が出てくるが、もう前面には出てこない」
「過去の愚行ってことだね」
「もう毎回アバンでギガントが飛んで地球を滅亡させたりしない」
「そうか」
「結果として、『滅び』という要素はどんどん後退して、トトロになると不思議な生き物が滅びに瀕しているという部分にまで後退する」
「魔女宅も魔女が滅びに瀕しているという話になるね」
「豚では、理想の共和制が滅びに瀕しているという話になる」
「宮崎アニメに限らずこういうテイストは消えていく」
「そうだね。そもそも宇宙戦艦というアイデアそのものが簡単に便乗できて安易に真似できるにも関わらず、ほとんどパクリ企画が出てこないね」
「かろうじて出てくる宇宙戦艦も、実際はロボットの母艦で見せ場を担わないものがあまりに多い」
「そこは不満点みたいだね」
「永遠にガ○ダムファンには理解できない不満点だろう」
オマケイヴ §
「その永遠にガ○ダムファンには理解できない不満点はSPACE BATTLESHIP ヤマトで解消されたの?」
「その点は実は意外な展開がある」
「というと?」
「むしろ、もっと子供向きの一般的な作品の方がそれに前向きに取り組んでいるんだ」
「えっ?」
- ゴーカイジャーは、ロボに変形するとは言え、海賊船がメインメカ。海賊船としての戦闘の見せ場シーンもある (艦首のラムもある)
- バトルスピリッツ・ブレイヴは5対1の艦隊戦をやった (無粋なロボは100%抜きで)
- 爆丸ニューヴェストロイアもスペクトラの根拠地は宇宙戦艦 (艦首のラムもある)
「やはり、ポイントが高いのはバトルスピリッツ・ブレイヴだな。宇宙戦艦ではなくコアシップという空中に浮かぶ船だが、この5対1というシチュエーションは泣けるぞ」
「どうして?」
「一般的に演出的には『無数の敵艦隊』と言いたくなるからだ」
「数を明示したのがいいってことだね」
「ああそうだ。超弩級宇宙戦艦6巡洋艦8護衛艦多数高速接近中が燃えるのと同じ理由だ」
「そうか」
「でも、まだ話は半分だ」
「えっ?」
「敵が5隻というのがいい」
「たった5隻だろ?」
「でも味方は1隻なんだよ。圧倒的な劣勢だ。勝ち目は無い」
「そうか。演出的にはそれで十分なんだね」
「むしろ、5隻というのは女王の威光に逆らう反逆魔族が動員する勢力として妥当だし、十分に絵になる数だ」
「絵的な説得力がある数だってことだね」
「絵的と言えば、コアシップが2隻より沿って停泊している絵なんて、もう感涙ものだぞ」
「そうか」
「あくまでカードゲームで勝敗を付ける世界観かと思えば、そうでもない。追い詰められると武力が行使される。そういう意味では、序盤でカードに負けて引き下がった魔族達がいかに行儀正しいかが分かる」
「礼儀正しい悪……。何か引っかかるぞ」
「デスラーもそうだよ。彼はあちこちの星を侵略したのに、隣のイスカンダルだけは侵略しなかった。彼は意外と礼儀正しい。通すべき筋だけは通す男だ」
「下品な男が嫌いで床の穴に落とすってだけだね」
「敗者もな」
「戦って死ねとつたえい」
オマケよ永遠に §
「サラリーマンのスーツを着せたら課長になるかな」
「それは島耕作だ」
「というネタを書いた後で驚いた」
「どうして?」
「島耕作のアニメをSPACE BATTLESHIP ヤマトの宣伝をやったFROGMAN氏が手がけると分かったからだ」
「世界はつながっているんだね」
「ネタからネタへと続く大ネタの息吹は終わることは無い」
「大ネタ? 島『大』介『ネタ』は永遠に終わることは無いんだね?」
「なんか違う」
「みんな歌おう、大ちゃん音頭」
「もっと違う。ってかなんだよ大ちゃんって」
「大介にいちゃん、略して大ちゃん」
「弟が泣くぞ」
「なんだべそなんかかいたりして」
「せっかくミニヤマト作ってみんなを励ましてるのに」
「ミニヤマトってなんだ?」
「ヤマトのアップリケを付けたミニスカートだよ。これをはいて出迎えるからコスモクリーナー持って帰ってね」
「うっ。真っ赤なスカーフを振るより強烈な誘惑だ」
「僕兄ちゃんのお嫁さんになるのが夢なんだ」
「必ず放射能除去装置持って帰るからな。約束だ!」
「それでいいのか、島。しまった、と後悔しても遅いぞ」
「しまらないオチだな」
オマケ復活編 §
「次郎、どうだ。亡き兄の意志をついでオレの助手にならないか?」
「あの伝説の真田さんに声を掛けて貰えるなんて光栄です」
「ミニスカートをはけとは言わんが、たまには可愛いところも見せてくれ」
「はっ?」
「こんなこともあろうかと、冥王星で見た反射衛星砲をヒントに作っておいたスカートが役に立つ日が来たようだ」
「さ、真田さん……。反射衛星砲をヒントにどうやってスカートなんか……」
「ほら。パッと開く反射衛星が、アナライザーがめくったスカートみたいだろ?」
セクサロイド島 §
「WikiPediaの以下の記述で目が覚めた」
- 姓のモチーフは松本零士原作の『セクサロイド』のシマと思われる。
「そうか。セクサロイドか」
「だからさ。島はガミラスに捕まってセクサロイドに改造されたんだよ」
「ええっ?」
「で、ガミラスのマダムに大人気」
「きゃー島さん、こっち向いて」
「でも、島は身体がもたないので、ヤマト艦内に乗り込んでの破壊工作を志願する」
「セクサロイドという名のサイボーグに改造された島が来るんだね」
「うむ」
「って石津嵐版かよ」
「そうだ。そしてスカートという凶器で真田を殺害」
「どう殺害するんだよ」
「スカートをはいてウィンク一つで」
「またそのネタか」
「セクサロイド島あらためサイボーグ島村嬢」
「たてー、たつんだ、嬢!」