2011年03月07日
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33巻・真の最後のキャラかもしれない「ココネ・ファティマ・ローザ」

Written By: 川俣 晶連絡先

「ネギま!の場合、予告された最終キャラはザジだ。ザジが出たら終わりが近いという」

「うん、ザジが出ちゃったポヨ」

「それは姉君。でも、本当はそれもフェイクでは無いかという気がしてきた」

「というと?」

「本当の最終キャラはココネではないかという気がする」

「どうして?」

「以下、根拠を説明する」

300時間目の肩書きの問題 §

「300時間目には、その場にいるほぼ全員に名前と肩書きが付いている」

「うん」

「たいていは既に分かっている名前だ」

「『謎のシスター』とか『鉄壁の影使い』とかだね」

「他に、『悩める解放奴隷』とか『凡人』とか凄い肩書きもある」

「ははは」

「しかし、よく見ると引っかかることも書いてある」

「えっ?」

「ココネは『帝国移民計画実験体18号』なのだ」

「そんな話、前からあったっけ?」

「さあ。そこはよく憶えていない。でも1つだけ確かなことがある」

「なんだい?」

「帝国移民計画の実験体という具体的な話はまだ出てきていない。しかし、18号という数字まで詳しく書いてあると言うことは、設定が存在する。設定が存在するということは、使われる予定がある」

「予定があっても、まだ使われていないよね」

「しかし、ザジの設定はもう使われ始めている」

「そうか。ココネの詳しい話が開示される可能性があるが、それはまだなんだ。しかし、ザジの謎は開示されつつある。つまり、最後のキャラはザジではなくココネかもしれないわけだ」

「よくはワカランけどな」

オマケ §

「ちなみに、もう1つの注目点はちうさまに『ネギ先生の相談役』という肩書きが付いていることだ」

「別に、おかしくないだろ? これまでの行動から見ればその通りだろ?」

「そうだけど、本人はあまりそれを承認してないっぽい」

「ああ、そうか。ちうさまは、かつて、茶々丸のライバルにして電子戦支援者の電賊だったわけだ」

「そうだ。もう既に電賊という肩書きは無い。アーティファクトの存在はもはやさしたる意味を持たず、ネギ先生の近くにいて助言する役目が主となっているのだろう」

「なるほど。明らかにかつてのちうさまに相応しい称号が今はもう違うわけだね」

「最初からアーティファクトごっこには半分冷めているキャラだから、ある意味で順当な話だが興味深いね」

「どうして?」

「実はネギま!という作品は覚醒に向かっているのではないか、という気がする」

「えっ?」

「魔法の世界という夢が夢のまま守られました、めでたしめでたし、という結末には向かいそうも無い」

「魔法世界を守ろうとしているわけだろ?」

「人為的に魔法世界を守るプロセスを描くということは、それが自明の存在では無いことを暴くことと同じなんだ」

「そうか。その世界観の中で、ちうさまこそが、目覚めへの水先案内人になるということか」

「そうだ。ちうさまの持っている『夢』とはコスプレとコンピュータ上の修正結果であり、最初から虚構なんだ。従って、夢から現実にネギ先生を導くことができる」

「それが『ネギ先生の相談役』の果たすべき決定的な役割なんだね」

「そこで重要なことは、魔法は子供の夢であり、ネギ先生は子供であるということだ」

「なるほど。ぴたりと噛み合うね」

「先のことはヨクワカランけどな」

オマケ2 §

「でもさ。『萌え派』の読者はそんな読み方を絶対にしてないぜ」

「もろちんさ」

「デュナミス様~♪」

「もとい、もちろんさ。彼らは一生懸命絵(ぱんちら)を見るが、こっちは一生懸命小さな文字(うんちく)を見る」

「さらっと面白いネタが書いてあったりするものね」

「でも最初から面白がる場所が違うから話は噛み合わないよ」

「じゃあ、噛み合わない前提で君が考えるいちばん面白い結末ってなんだい?」

「真の造物主の掟が出てきて、作品の全てが虚構であったことが暴かれて消える。主人公もヒロインも全員消える。学園も世界樹も消えて残るのは埼京線だけ」

「なんというメタフィクション」

「あるいは、魔法先生でもイギリス人でもないただの日本人のガキが1人残されて終わり」

「はははは。魔法も何もかも虚構で、山のようにいた美少女達は全部虚構か」

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