「ある日、気付いたんだ」
「なにを?」
「下高井戸八幡の東側の道を北に行くと、神田川を渡って上り坂になる」
「うん」
「坂を登り切ったところで四つ角だ。右に曲がると坂を下る。左に行くと水平。でも、まっすぐ行くと坂を下るんだ」
「善福寺川のへこみ?」
「それはまだ遠い。これは神田川の支流ではないかと思った」
「そうか」
「そして昨日確認に行ってびっくりした」
「何があったの?」
「水路の痕跡を複数発見した」
「それは凄いね」
「ところがそれだけじゃない」
「えっ?」
「実は別の支流も特定した。こっちは、西永福駅のホームの下に痕跡がある。しかも、北側と南側の両方だ」
「えっー?」
「昨日はそこまで特定して、正確には分からないもののこのあたりが水源だと推定してみた」
「おめでとう。ぱちぱち」
「ところがきょもう1回行ってみて別のことに気付いた」
「えっ?」
「井の頭通りの西永福のあたりは実は路面がかさ上げしてある。勾配を上がって井の頭通りに出る感じだつまり、ここは低地なのだ。あとから盛り土をして道路の勾配を少なくしているらしいのだ」
「へえ」
「ということは、井の頭線どころか井の頭通りも超えて水路跡を想定することすら可能かもしれない」
「ええっ?」
「実際、先に進んでいくと団地と公園があった。水路跡のありがちな施設の定番だ」
「とすれば、どこまで続くんだい?」
「まだ分からない。井の頭通りより北はほとんど未開拓なのだ」
といわけで §
「というわけで、昨日は大発見の連続であり、すぐにまとめを書こうと思った。しかし、今日の調査行+昭和22年の航空写真を見ていると、まだ結論を出せないことが分かってきた」
「そんなに?」
「ずばり、永福町より面白い。西永福ワクワクゾーンを認定しよう」
「何回通っても飽きないってことだね」
「しかし、驚いたよ。西永福は昔から行動圏内だったんだ。そもそも、一部は子供の頃に通った高井戸第三小学校の学区域に収まる。クラスメートがその辺から通ってきたこともあるんだよ」
「へえ」
「ってか、小学校時代の友達だった中山君がやってる歯科医のすぐ目と鼻の先を想定水路跡の径路が流れていたんだよ。これはびっくり」
「中山矯正歯科って見に行ったことあるよね」
「あるある。だから、駅の下の痕跡のある場所も来たことがあるのにずっと見落としていた。こんなに近い場所で驚きが残るとはビックリだ」